帝人は6月24日、同社と帝人フロンティアが、タイヤコードの生産に実績のある綾羽とタイに合弁会社を設立し、タイヤコード工場を新設すると発表した。
タイヤコードや自動車用ホースコードなどの自動車用ゴム資材について、中国・ASEANでの現地調達化が進み、アジアを中心に高い成長が見込まれることから、同新会社の設立へと至った。
また、既に帝人グループとしてタイに生産拠点を有する自動車用ホースコードについては、生産設備を増強する。
これにより、今後拡大が期待されるアジア地域の自動車産業に向けて、タイに自動車用ゴム資材の川中事業における新たなサプライチェーンを構築し、グローバル販売を加速していく方針。
ポリエステル繊維の生産拠点であるテイジン(タイランド)社の敷地内に、綾羽との合弁会社「テイジン・FRA・タイヤコード(タイランド)」(以下、TFA)を設立し、撚糸、製織、接着加工の各工程を有するタイヤコード生産工場を新設する。
TFAは、帝人と綾羽の高次加工技術、および帝人フロンティアのコンバーティング機能を組み合わせ、一般タイヤ用のポリエステルやナイロンのタイヤコードに加え、加工技術力が要求されるレーヨン、アラミド、PEN(ポリエチレンナフタレート)のタイヤコードを展開し、燃費向上などの観点からも今後拡大が見込まれる高機能タイヤ向け部材にも対応していく。
TFAは、タイ国アユタヤ県・バンパイン工業団地内テイジン(タイランド)社敷地内に所在。資本金は3億8000万バーツで、出資比率は帝人フロンティアが56・66%、帝人が10%、綾羽が33・34%。設立時期は、2014年6月(2014年9月着工予定、2015年10月稼働開始予定)。事業内容はタイヤコードの撚糸、製織、接着加工。生産能力は約1万6000t/年。総投資額は11億3000万バーツ。
また、産業用ベルトコードの生産拠点であるテイジン・コード(タイランド)社において、2013年に立ち上げた自動車用ホースコードの生産が好調に推移していることから、このたび生産設備を増強し、自動車用ホースコードの事業拡大を推進する。
同施設はタイ国アユタヤ県・ロジャナ工業団地内に所在。対象設備は自動車用ホースコードの接着加工設備。増設規模は現状対比約70%増。投資額は2900万バーツ。稼働時期は2015年4月稼働開始予定(2014年6月着工)。