ランクセスは6月27日、4月にセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下SCJ)を通じて、岩手県・山田町に「小学生向け化学」実験キット計5セットを寄付したと発表した。
このうち、山田町の船越小学校に3セット、同町の教育委員会を通して町内の小学校に残りの2セットを寄付している。
この実験キットは、同社グループが、ドイツのドルトムント工科大学化学学部の協力の下、化学分野において研究の基礎となる化学実験を、小学生でも容易にかつ安全に体験できるよう設計したもの。小学1年生から6年生を対象に、10通りの実験を通して、物質の「水溶性」について学ぶことができ、化学室や実験室を持たない施設においても使用することが可能。
同社は、東日本大震災により被災した子どもたちの支援を目的に、2011年より同町を含む東北3地域においてSCJの「子どもまちづくりクラブ」の活動を支援しており、同町の小学校への実験キットの寄付も東北の復興に向けた支援の一環。
船越小学校は、東日本大震災の津波により校舎が全壊し、その後、高台へ移転された。今年4月から新たに完成した新校舎での学校生活が開始されているが、理科の実験道具などの支援は必要な状況であり、今回の寄付に至った。また同社は、SCJの「子どもまちづくりクラブ」の活動への支援を2015年12月まで継続することも決定している。
日本法人ランクセスのペーター・ワインマール社長は、6月9日に同小学校を訪問し、実験キットの贈呈式を行った。この訪問に際しワインマール氏は、「復興に向けたできる限りの支援とサポートを行いたいと考え、この実験キットを贈呈することとなった。同キットを通して、皆さんの好奇心と自然や化学についての興味を存分に引き出してもらえることを願っている」と述べた。