東海ゴム工業(愛知県小牧市・西村義明代表取締役社長)は6月20日、マツダ㈱(広島県安芸郡府中町・小飼雅道代表取締役社長兼CEO)より広島地方裁判所に訴訟を提起され、同日、訴状の送達を受けたと発表した。
訴状によると、マツダは、パワーステアリング装置向け配管部品の不具合が原因で、2009年に国内外で届け出た乗用車3車種についての市場改善措置(リコール)に関し、不具合の原因が同社にあるとして、訴額156億8847万2907円の損害賠償を求めている。
同社が12年2月にすでに明らかにしたとおり、マツダは今回の訴訟に先立ち、同社に損害賠償の支払い協議に応じることを求めて同月、広島簡易裁判所に調停の申立てを行った。
同社は調停開始以来2年数ヵ月間にわたり、調停の場において不具合の原因究明に取り組んできた。同時に、十分な理由と裏付けを提示しながら、不具合の発生原因が同社にはないことを主張してきたが、マツダの主張とは折り合いがつかず、議論は平行線をたどったという。その結果、双方当事者の合意成立の見込みがないとして、14年5月に調停不成立となった。
今回の提訴について、同社は「訴訟においても、不具合の原因が同社にないとする立場を主張する」としている。
なお同社は、今回の訴訟が相互に重要な取引先であるマツダとの関係について影響を与えるものではないとの認識が、両社の間で確認できていることを明らかにした。