三ツ星ベルトは7月2日、ドイツのデュセルドルフ近郊(ノイス市)の拠点を移転拡充すると発表した。
納入先の拡大にともない、人員の強化、在庫の充実を図り、顧客の要望に対応するため。
新拠点は2階建て、床面積約5000㎡で現在の約4倍。Vベルト・タイミングベルト・リブスターベルト・変速ベルトなどの在庫品目・量をともに増やし、さらに短縮納入体制を強化した。
また、ヨーロッパ市場では自動車用エンジンの金属製チェーンを、ゴムタイミングベルトに置き換える事により、更なる軽量化を推進する方向にある。同社は油中で用いられる金属製チェーンを上回る耐久性を有したゴムタイミングベルトを開発、軽量化を図り、フォルクスワーゲン社への納入を開始した。このタイミングベルトは、国内ではすでに富士重工業の汎用エンジン用で2年以上使用されており、耐久性能を確立している。
今後、ヨーロッパ市場への飛躍的な需要の増大が予想されるため、ドイツの拠点の整備を行い、納入体制の更なる強化を図る。
また、ヨーロッパ市場では、樹脂製ベルトの需要が旺盛で、同社へも精度と耐久性のあるベルトの要求が増加している中、市場ニーズに応えるため、ポーランド工場内に、フリースパンベルトの生産設備を増強。顧客の要求に応えられるよう、以前より、工場直結での、短納期製造体制を構築した。
フリースパンベルトは、長さを自由に指定でき、長い距離の往復運動、長いスパンの回転運動にも使用が可能。また、ベルトの材質は、樹脂製ベルトの特性を活かし、食品衛生法に適合している素材を使用している。食品製造機械や、搬送物を指定場所へ決め置きする機械、各種検査機器など、幅広い用途での採用が期待されている。