十川ゴム 「放射線遮蔽ゴムシート」拡販へ

2014年07月14日

ゴムタイムス社

 十川ゴムは先ごろ、硫酸バリウムを高充填させた「放射線遮蔽ゴムシート」を開発、今春より発売開始した。同製品は、安価で安全性が高い硫酸バリウムを独自の技術でゴムに配合し、ハロゲンフリー、鉛フリーで環境規制にも対応。同社では震災復興への貢献を期し、拡販に乗り出した。

 放射線防護は、放射性物質との間に遮蔽物を設置することで可能となる。比重が大きい物質ほど遮蔽効果が高く、タングステン(比重約19・3)などが有効だが、コスト面の問題から鉛(同約11・3)が選ばれやすい。しかし、鉛板は切断・接合などの加工が難しく、有毒性の面でも課題がある。

 そこで同社は、放射線遮蔽効果があり、胃のX線検査で馴染みの深い硫酸バリウム(同約4・5)に着目。硫酸バリウムは安価な上、安全性も高い利点がある。

 同社では放射線遮蔽効果を高めるため、従来の常識を超える量の硫酸バリウムをゴムに配合しながら、ゴムが本来持つ柔軟性を保持する技術を開発し、比重約2・2の「放射線遮蔽ゴムシート」の製品化に成功した。

 比重が小さい点については、厚みを増すことで放射線遮蔽効果を補った。その反面、比重が小さいことで軽量化を実現。取り回しが容易になり、設計の幅が広がった。

 加工性については、カッターなどで簡単に切断が可能な上、ゴムの柔軟性を維持しているために折り曲げてもシートが割れず、屋内の壁や床、湾曲部、車の床やドア部での遮蔽作業も容易である。また、鉛などの硬質遮蔽材の継ぎ目部材として複合的に使用しても効果的で、現場で組立てが容易な遮蔽材の設計も可能となっている。

 硫酸バリウムの放射線遮蔽効果は半永久的で、通常の室内保管であれば、製品の柔軟性は数十年を経てもそれほど大きく劣化しない。

 また同製品は、

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