昭和電工は7月8日、同社の子会社、昭和電工パッケージングが、リチウムイオン電池(以下、LIB)の包材であるアルミラミネートフィルム(以下、ラミフィルム)の彦根工場での設備増設工事を完了し、7月より量産を開始したと発表した。
包材に樹脂とアルミ箔の複合材であるラミフィルムを用いたパウチLIBは、金属製の円筒型LIBおよび角形LIBに比べて成形の自由度が高く、軽量、放熱性に優れていることが特長。LIB包材向けラミフィルムの市場規模は2015年には2012年比で倍増の250億円程度になるとみられており、スマートフォンやタブレット端末などに代表されるスマートデバイスの台頭による小型LIBの需要に加えて、自動車の電装化の進展・普及に伴い、大型LIBの需要の増大も期待される。
今回の増強により、昭和電工パッケージングのラミフィルム生産能力は2010年比で3倍となる。同社では、現在推進中の中期経営計画」PEGASAUS(ペガサス)」フェーズⅡにおいて、LIB用材料を新規育成事業に位置づけており、ラミフィルムにおけるトップレベルのシェアと品質の維持向上に引き続き取り組むことで、今後も需要の高まるLIB市場へ製品を安定的に提供することに努めていくとしている。