クレハエラストマー 鉄道車両用シートを拡充 

2014年07月14日

ゴムタイムス社

鉄道車両用難燃性ゴムシートを積極的に拡大
製品ラインナップ拡充、制振性や放熱性等高機能材料の提案を推進

 クレハエラストマーは7月8日、同社の中心事業であるシート事業部の重点課題として、鉄道車両用難燃性ゴムシートのラインナップを拡充し、11品目16サイズを取り揃え同月から販売強化に乗り出したと発表した。

 同社は以前より鉄道車両用難燃シート「CB365F(クロロプレン系ゴムシート)」を販売してきたが、この度鉄道車両メーカーのニーズに応え、厚さ10mm品まで燃焼試験を実施した。

 その結果、厚さ5mm品では国土交通省令第151号第83号の不燃規格に適合する等、同社の技術の高さを裏付ける結果となった。

 鉄道車両用難燃性ゴムシートで不燃性の評価を受けた事により従来ゴムが使用出来なかった車体上部の部位にも製品展開が可能となり、設計的な制約が無くなり用途拡大が期待出来ると同社は推測している。

 さらに、これまで別用途として開発・使用されていた、EPDMやフッ素、シリコーンスポンジなどのシート10品目についても燃焼試験を行い、いずれも難燃性か、その上のクラスである「極難燃性」の評価を得て、鉄道車両用としてラインナップに加えることにした。

 同社開発担当によると、鉄道車両メーカーや部品メーカーなどにこれらの製品を提案したところ、鉄道車両用の従来品にはなかったフッ素ゴムやシリコーンスポンジを素材とする製品や、制振シート等は吸音性や防振性等車内環境の改善に効果が期待出来ると各社から関心が寄せられているとのこと。というのも、現在、鉄道車両の設計では車内環境改善が大きなテーマになっており、気密性や制振性を向上させる製品へのニーズがあるからだ。更に、昨年導入した3,000mm幅まで生産可能な広幅生産設備対応により、床面等車体幅に継ぎ目の無いノージョイントシートの適用により加工時間の短縮や作業効率の改善が期待出来るとしている。

 同社では、鉄道車両の国内市況は新幹線車両の更新や目立った新規開業路線が当面無いことから横ばい若しくは低迷すると予測している。これに対して海外からの信頼の厚い日本の鉄道車両は今まで以上に活況になると予測している。今回の同社の事業展開は国内で使用する車両のみならず、海外に輸出する車両についても視野に入れており、欧米の発煙性及び有毒ガス発生の抑制等の規格に適合した製品を開発して、ラインナップに加える方針である。

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