日立造船は7月9日、同社の100%子会社であるニチゾウテック(以下、NTI)およびエイチイーシーエンジニアリング(以下、HECE)について、NTIを存続会社、HECEを消滅会社とする吸収合併により、10月1日を期して経営統合することを決定した。
NTIは、資本金は12億4200万円で、各種構造物の検査・計測・診断といったコンサルティング業務や各種プラント設備の設計・製作・据付といったエンジニアリング業務、各種プラント設備の保守・点検・整備などのメンテナンス業務に強みを持つ。HECEの資本金は4億2000万円で、化学プラントを中心に産業用機械、原子力関連設備などの設計・製作・据付・試運転までの一括管理を行うエンジニアリング事業を得意としている。
両社の合併は、相互補完と製品メニュー増加による顧客の拡大や有資格者、技術者などの有効活用により、民間プラント・産業機械などのエンジニアリング事業や設計からアフターサービスまでを一貫して行うソリューション事業ならびに社会インフラ老朽化などに関するコンサルティング事業の伸長を図るもの。
近年同社は、スイスの日立造船イノヴァや米国のNACインターナショナル、英国のカンバーランド・エレクトロケミカルなどのM&Aを相次いで行い、昨年度には同社グループの上場子会社であったアタカ大機株式会社およびNTIを、それぞれ吸収合併、100%子会社化するなど、海外展開やグループ力の強化・再編に着手してきた。
2014度よりスタートした新中期経営計画「Hitz Vision Ⅱ」では、グループ力の強化によるシナジー実現や既存事業と技術のシナジー追求を重点施策に掲げ、4月1日付で当社グループの総合力向上を目的とした「関連企業部」を新設しているが、引続き同社グループの経営理念や成長戦略を踏まえた事業運営を積極的に進めていく。