カネカは7月10日、「植物由来生分解性樹脂」(製品名:カネカ バイオポリマー アオニレックスⓇ)の開発に対し、独立行政法人科学技術振興機構(以下JST)より開発成功の認定を受けたと発表した。
同開発は2009年1月にJSTより受託した、独創的シーズ展開事業「委託開発」の開発課題。
同社高砂工業所にて11年5月より稼働を開始した生産実証試験設備で、連続運転による培養生産性、培養後収率について目標を達成した。また、製造した樹脂を用いて設計した農業用マルチフィルムはグリーンプラ識別表示可能な配合で、既存石油由来生分解性フィルムと同等以上の物性が得られているなどの基準を達成した。
カネカ バイオポリマー アオニレックスⓇは、菌株育種・培養技術によって、微生物体内にポリマーを高度に蓄積させ、それを精製して取り出すクリーンプロセスで生産され、優れた耐熱性、生分解性、耐加水分解性、水蒸気バリア性を持ち合わせ、軟質性、耐熱性のある100%植物由来のバイオポリマー。硬質から軟質まで幅広い物性を示し、ポリエチレンやポリプロピレンによく似た物性を持つ。
同社は、11年5月より生産実証設備により、生産能力、年産1000トンを製造しているが、今後本設備を用いてより高度な生産技術・プロセス革新技術の開発、および用途開発を進め、さらに生産設備を段階的に補強することで、20年には売上高100億円以上を目指すとしている。
2014年07月10日