カワタ(湯川直人社長)は12月20日大阪で記者会見を開き、11年5月にインドネシア子会社「PT.カワタインドネシア」を設立し、プラスチック成形機周辺装置などの生産を開始すると明らかにした。
会見で湯川社長は、新会社は、カワタのマレーシア子会社KEMを閉鎖したのに伴い、中国・上海に続く東アジアの生産拠点と位置づけ、今後5年計画でネシア、タイ、インド向け生産拠点として拡大を図っていく。
生産品目はプラスチック成形機の効率化機器など周辺装置を中心に、当面ノックダウン方式で行う。
新会社の資本金は100万米ドルで、出資比率はカワタ60%、川田機械製造上海有限公司40%。
代表者は若林優氏。従業員は当初30人からスタートする予定。生産能力は年産3億円程度を計画している。
当初、マレーシアの代替地にベトナムを検討していたが、求人難に嫌気し、インドネシアに決めた。同国は2輪・4輪ともにモータリゼーションの拡大が著し く、10年は前年比30%近い伸びを示した。人口も2億3000万人と中・印に次いで多く、GNPも米発の金融不安以降、4・5%伸びており、大変有望な 市場と好感視している。
新会社の役割は、①海外生産拠点として、インドネシア市場および東南アジア向けの同社製品の製造②東南アジア地域の各国内需の拡大と生産性の向上が中心。
5年計画で拡大を図る考えで、5年後の2015年3月期には内・外売上げ比率を50対50に引き上げる。内訳は東アジアが25%、東南アジア20%、米州が5%を見込んでいる。
11年度はネシア国内市場向けに、上海で製造した同社製乾燥機、金型温度調節機らの主要部品のノックダウン(組立)を行う。目標工場出荷額は300万 円。合わせて日系企業依存からローカル企業への販路拡大により生産規模拡大の底上げを図る。
第2段階はインドネシア国内市場に加えシンガポール、マレーシア向け製品の生産供給および生産部品の現地調達率を高め、原価低減努力によりコスト対応力を高める。同出荷目標額は500万円。
第3段階は、インド、中近東諸国、タイ、フィリピン、ベトナム向け製品の生産供給の拡大により、同出荷額を800万円に引き上げる。
第4段階は、東南アジア各販売拠点の販売エリア拡大、新規顧客の獲得で業容を実現するため生産能力の引き上げを図る。出荷目標額は800万円以上。能力 増についてはまずネシアの現地パートナーとの協力関係を構築して行い、次に別の場所で検討したい、とした。
続けて同社長は、東アジア、東南アジア地域の自動車生産販売の成長は直近で年10―20%と著しい増加傾向を示している。
これまで当社は、日系の自動車、自動車部品企業主体に売上げを作ってきた。しかし今後はローカル化、カスタマイゼーションを積極的に推し進めることで、新しい顧客や販路を獲得することで、計画達成を目指すなどと述べた。