日立化成は7月15日、LEDパッケージ用「白色エポキシモールド樹脂CEL―W―7005シリーズ」について、主要となる特許(第5544739号)を取得したと発表した。
LEDは低消費電力、長寿命であることから、新しい光源としての採用が飛躍的に伸びている。用途としては、PCモニター、TV等の液晶ディスプレイバックライト向けをはじめ、近年では、照明や自動車ヘッドライト向け等に普及が進んでおり、同社では、2010年度にLEDパッケージのリフレクター部分に用いる白色モールド樹脂を製品化した。
LEDは市場の拡大とともにさらなる高機能化が望まれ、高輝度化の傾向にあるが、液晶ディスプレイなどの用途では小型のLEDデバイスが使用され、リフレクターの壁部分や基板の厚みが小さくなるため、光漏れの課題があった。この光漏れが多いとパッケージの上面へ放射されるべき光が損失するため、光取出し効率を十分に高めることが難しくなる。そのため、材料には、光取り出し効率の高い、遮光性に優れた材料への要求が高まってきた。
そこで、同社は熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を用い、さらに特殊な配合を施すことにより、光取り出し効率の高い、遮光性に優れた製品の開発に成功し、光漏れを抑制した高反射のLEDパッケージ用白色モールド樹脂を製品化した。今回取得した特許第5544739号は、この開発技術をカバーする主要特許。
同社は、この技術に関する発明を2009年に日本で特許出願し、4月に特許査定を取得した。この特許出願は、同分野の技術者からも重要視されており、特許庁での審査段階で第三者から5回にわたる情報提供を受けたが、同社は特許査定を取得することに成功した。また、同社では2012年に取得した白色エポキシモールド樹脂の基本特許である第5060707号を含め、既に日本で30件以上の特許権を取得しており、非常に強力な特許網を構築している。さらに、外国出願も継続して行っており、各国において順次権利化を推進し、ワールドワイドでの特許網構築を図っていく考えだ。
同社は、今回取得した基本特許をはじめ同社の保有する知的財産権を積極的に有効活用し、白色エポキシモールド樹脂を同社の重要技術として差別化することにより、知的財産の面からも事業の優位性を図っていくとしている。