日本インシュレーションは7月18日、すべり支承免震装置向け耐火被覆システム「めんしんたすけ―S」が、耐火構造の認定に係る性能の試験・評価に合格したと発表した。
認定取得後は、これまで高度な設計方法でしか使用できなかった同製品が、一般的な設計方法(ルートA/仕様規定)で適用できるようになる。
同社は、すでに平成23年からすべり支承免震装置向け耐火被覆システムとして同製品を提供してきた。しかし、同システムについては、これまで建築基準法第2条第7号(耐火構造)の規定に基づく認定に係る性能の試験・評価方法が定められていなかったため、ルートC(性能規定に基づく高度な設計方法)によってしか建築物に適用することができなかった。
今回、同社は第三者評価機関において、柱・耐火2時間の耐火性能の試験・評価を受けて合格し、耐火構造の認定を国土交通大臣に申請した。この認定取得により、ルートAの設計手法でも同装置に耐火被覆を適用できるようになり、同製品は一般の建築物にも適用範囲が大きく広がることになる。免震構造物の一層の普及に貢献することができると期待される。
今回申請した認定は、被覆対象免震装置の「弾性すべり支承免震装置」あるいは「剛すべり支承免震装置」。耐火パネルのタイプは固定式。
免震装置内部ゴムの寸法(被覆ゴムを除く)は、丸形の場合は外径φ300からφ1600mmまで、角形の場合は―300×300mmから―1600×1600mmまで。すべり材の寸法は、丸形の場合は外径φ116からφ1600mmまで、角形の場合は―116×116mmから―1600×1600mm。免震装置の上下構造体の寸法は、すべり支承設置側構造体は700×700mmから4000×4000mmまで。すべり板設置側構造体は1400×1400mmから4000×4000mmまで。内面ゴム表面と被覆材の距離は、丸形の場合は450mm以上、角形の場合は494mm以上。耐火パネル芯材の標準総厚は、100±5mm(けい酸カルシウム)。表面鋼板厚さは、0・27mm以上。