日本触媒は7月31日、2012年1月31日に発表した、中国にある子会社、日触化工(張家港)有限公司(以下NSC)での高吸水性樹脂(以下SAP)製造設備の増設についての中止を決定したと発表した。
同社のコア事業のひとつであるSAPは、紙おむつの原料として、堅調な需要の伸びを示している。今後、世界最大市場の一つとして期待される中国においては、現在、既存子会社NSCで年間3万トンのSAPを生産しており、更なる需要増加に対応すべく3万トンの増設(以下、本増設)を決定していた。しかし、2012年9月29日の同社姫路製造所に於けるアクリル酸製造設備爆発・火災事故を受けて、姫路製造所の安全対策実施及び復旧の為に、本増設を中断していた。
今回、同増設の再開について再度検討を行った結果、増設決定時と比べ、市場環境が大きく変化している事、また同社としては他地域での増設を優先すべきと判断した事により、NSCでの増設工事を中止する事を決定した。
同社は、今回の中止が当連結会計年度の損益に与える影響は、軽微であるとしている。