横浜ゴム 接着剤を使用しないLPG高圧ホース開発

2014年08月07日

ゴムタイムス社

 横浜ゴムは8月7日、一般家庭用LPG高圧ホースの製造工程で従来必要とされた接着剤を使用しない新仕様のホースを開発したと発表した。

 これに伴い、接着剤塗布の際に溶剤として用いていた揮発性有機化合物(VOC)が不要となる。これにより、LPガス用ホースを生産する茨城工場のVOC使用量は、従来品からの切替えが完了した13年5月以降の1年間で、前々年の同期間より約25%削減された。

 一般家庭用LPG高圧ホースは、屋外でLPガス容器と圧力調整器の間に配管され、LPガスの輸送に使用される。内面樹脂層、内面ゴム層、補強層、外面ゴム層の複数層から構成され、中でも内面樹脂層は内面ゴム層に含まれる配合剤のLPガスへの抽出防止と、LPガス透過を抑える役割を果たしており、この内面樹脂層と内面ゴム層を接着させるために接着剤を用いていた。今回の開発では、内面ゴム層にエポキシ化天然ゴムを新たに配合、また加硫条件を最適化することで、接着剤を使うことなく内面樹脂層と内面ゴム層を接着させることに成功した(特許取得済み)。製造過程で接着剤を使わない一般家庭用LPG高圧ホースの販売は市場では初めてとなる。

 横浜ゴムは、中期経営計画「GD100」の基本方針に「トップレベルの環境貢献企業になる」を掲げており、「すべての商品を環境貢献商品にする」「トップレベルの環境対応生産を行う」ことを目指し、活動を進めている。VOCの削減にも注力しており、基準値として設定する2000年度のVOC総排出量約2100tに対し、13年度は約797tと基準比3割程度まで削減した。今後も引き続き、同グループ全体でVOC削減に関する取り組みを推進していく計画。

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