ランクセスは8月8日、2014年度第2四半期の業績を発表した。
2014年度第2四半期の業績は、農薬業界における堅調な需要と建設業界の好況に支えられた。しかしながら、一方では合成ゴムの依然として厳しい競争状況と為替差損にも直面している。販売量は、ラテンアメリカを除く全地域において前年同期比で増加。グループ全体の販売量は2%増となったが、製品売価5%の値下げによる減少を相殺するに至らなかった。その結果、2014年度第2四半期のランクセスグループの連結売上高は、前年同期比5・7%減の約20億ユーロとなった。
特別項目調整前EBITDAは、同20・7%増の2億3900万ユーロとなった。これは、第1四半期時における予測範囲(2億2000万ユーロから2億4000万ユーロ)の上限に近い結果となった。この増加は、販売量の増加、稼働率の向上、経営効率化に向けた「アドバンス」プログラムによる費用削減が主な要因となる。特別項目調整前EBITDAマージンは、11・8%(前年同期:9・2%)と増加した。
純利益は、5500万ユーロ(前年同期:900万ユーロ)と大幅に増加した。これは、1つには、業績の向上と特別損失が前年同期に比べて減少したため。昨年、パフォーマンスケミカルズ部門では、再編の一時的な費用(4000万ユーロ)が発生した。
パフォーマンスポリマーズ部門の売上高は、引き続き、困難な市場環境を受けて前年同期比12・1%減の約10億ユーロとなった。この減少の主な要因は、全てのゴム事業において、製品売価が低い水準を維持しているため。特別項目調整前EBITDAは、主に工場稼働率の向上の結果として、2800万ユーロ増の1億2200万ユーロとなった。
アドバンスト中間体部門の売上高は、農薬業界および芳香族化合物ネットワークの製品の継続する堅調な需要が牽引し、前年同期比2・5%増の4億300万ユーロとなった。サルティゴは農薬業界における新プロジェクトから恩恵を受けた。特別項目調整前EBITDAは、前年同期とほぼ横ばいの7300万ユーロ。
パフォーマンスケミカルズ部門の売上高は、前年同期比1・4%増の5億6900万ユーロとなった。これは主に販売量の増加によるもの。物質保護製品、皮革用化学品、顔料などのビジネスが堅調となった。特別項目調整前EBITDAは、前年同期比28・4%の大幅増となり8600万ユーロ(前年同期:6700万ユーロ)となった。
同社は、今年度の世界経済は緩やかな回復基調が続くと予測している。自動車およびタイヤ業界と密接に関連する合成ゴムビジネスは、価格圧力に伴う厳しい競争環境に依然として直面している。同社は、今年度の農薬ビジネスの需要は引き続き良好であると見ている。建設業界の成長率予測もパフォーマンスケミカルズ部門の顔料ビジネスにさらなる弾みをもたらすとしている。
第4四半期に中国においてEPDMゴムプラント稼働の初期費用約1000万ユーロが発生することと、プラントの定期点検のための稼働停止を考慮しても、同社は2014年度の収益増を予測している。