昭和HD 4~6月期 営業利益が93%減少

2014年08月22日

ゴムタイムス社

 昭和ホールディングスの15年3月期第1四半期連結決算は、売上高は21億8175万円で前年同期比1・5%増、営業利益は1325万円で同93・2%減、経常利益は5411万円で同78・3%減、四半期純利益は2746万円で同83・0%減となった。

 ファイナンス事業の同第1四半期連結累計期間における業績は、増収であったものの減益となった。ファイナンス事業は、タイ王国国内の政治不安が2013年9月より2014年5月末まで継続したこと、タイ王国大洪水復興需要が2012年に一巡し、世界経済成長の減速が2013年中頃から始まったことなどの影響をまさに受けた期間となった。また、カンボジア王国での事業展開、新規に農業機械リースへの進出、その他のASEAN諸国への事業展開などに加え、6月18日に発表したとおり、タイ王国の同業オートバイリース会社であり、タイ王国国内シェア5位と比定されるタナブンカンパニーの買収が決定するという成果を上げた。加えて、ASEAN進出に伴いカンボジア王国における事業の拡大と、さらに多国展開を継続するために投資的費用を積極的に投下している。同事業は、タイ証券取引所一部に上場する連結子会社のグループリース社が営むオートバイファイナンスを中心とし、審査や回収のノウハウに独自性を持ち、現在ではカンボジア王国にも展開している。ファイナンス事業は、タイ王国国内で大型買収を実行し、タイ王国国外で積極的な事業活動を展開するとともに、さらに多国籍展開するための施策を実行してきた。タイ王国国内では経済情勢と政治情勢に対応して、前連結会計年度中期よりリスクマネージメントを重視しており、営業拡大を抑制している。このようにASEAN全域展開を含め、タイ王国国内での大幅な飛躍のために、人件費の増加、先行投資的な費用、買収関連費用などを投下した。同社は、これらは事業成長のために必要不可欠な投資であり、着実に成果を上げつつあるとしている。結果、売上高は12億2546万円で同3・4%増、セグメント利益は4080万円で同85・8%減となった。

 スポーツ事業は、当事業は、同社連結子会社であるルーセントが「スポーツコミュニティを元気にする」事を使命とし取り組んでいる。柱の一つであるソフトテニスボールにおいては、売上は順調に推移した。ルーセントブランド商品においても、プロモーター事業として徐々に成果を見せ始めており、ルーセントテニスクラブ事業においても大きく新規顧客を獲得し、前年同期を上回る売上と利益を達成した。また、新規事業として、4月1日より卓球業界に公認メーカーとして参入し、新たな社名のもと日本国内に留まらずスポーツ事業領域の拡大及び海外展開を目指していく。セグメント利益については、キャンペーン等の今後の収益へ繋がる費用及び新規卓球事業費用の先行費用が発生したことで、若干ながら低下した。結果、売上高は3億7712万円で同3・2%増、セグメント利益は6720万円で同8・2%減となった。

 コンテンツ事業の同第1四半期連結累計期間における業績は、増収増益となった。これは過去進めてきた営業改革、新規事業立ち上げが功を奏し、売上高が増加したことによるもの。同事業は、主にトレーディングカードゲーム制作やエンターテインメント関連の書籍及び電子書籍の制作、音楽及び関連商品の製作を行っており、様々なコンテンツを商品化する企画制作、編集、制作に独自性を持ち展開している。売上高については、カードゲームのロイヤリティ収入が低調となったものの、同社の強みを活かしたスピンオフ事業であるカードゲーム開発事業が、既に事業部に昇格するまでに成長し、全体では19・6%の増収となった。この結果、売上高は1億7481万円で同19・6%増、セグメント利益は4313万円で同201・2%増となった。

 ゴム事業は、同社の創業以来の事業であり、連結子会社である昭和ゴムならびにマレーシア連結子会社のショウワラバー(マレーシア)が営む、ゴムの配合・加工技術に独自性を持つ事業。同グループの中で、同事業は日本のマクロ経済の推移と連動した売上推移を見せる事業であり、アベノミクスによる民間投資活性化が期待されるところだったが、同事業においては、まだまだ官民の設備投資の低迷が続いており、プラント設備に関連するゴムライニングは、ほぼ前年同期並みの受注となったものの、その他の工業用ゴム製品等の受注が減少し、同事業としては前年同期を下回る厳しい業績となった。一方、継続的に取り組んできた変動費等の圧縮が奏功し、大幅に収益性が向上した結果、6四半期ぶりにセグメント利益を確保し、セグメント黒字に転換した。結果、売上高は3億8234万円同11・2%減、セグメント利益は881万円(前年同期は営業損失1437万円)となった。なお、同事業は、今年7月14日をもってビジネス領域ごとに特化したビジネスユニットを編成し、シームレスかつスピーディーにサービスを提供できる組織体制に再編した。各ビジネスユニットにはCOO(最高執行責任者)を選任し、様々な面で経営判断のスピードを速め、業績改善を図っていく。

 通期の連結業績予想は、売上高が95億円で前期比9・1%増、営業利益が8億円で同93・5%増、経常利益が7億5000万円で同55・6%増、純損失が5000万円を見込んでいる。

関連キーワード:

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー