日本ゼオン㈱は、シンガポールにおいて新たな溶液重合法スチレンブタジエンゴム(S―SBR)の製造プラントを建設すると発表した。シンガポール立地は、生産環境の安定、安全性、主原料であるブタジエン調達、さらに市場へのアクセスの良好から選択した。
新プラントは11年9月に建設着工し、第一期工事は13年4月完成、7月から本格商業生産を開始する計画。能力は年産3万4000㌧規模。第2期工事は 2016年を予定し、年産能力3万4000㌧。今回の新設計画により、日本ゼオンの全世界でのS―SBRの事業規模は2020年をめどに350億円程度を 見込む。
同社は、タイヤの転がり抵抗の低減とグリップ性能の向上という二律相反する要求に対し、高度なバランス性能を発揮する高性能なS―SBRを世界でいち早 く開発・商品化した。特に、現在低燃費タイヤの主力補強材となっているシリカ配合に適したS―SBRは、国内外のタイヤメーカーからその性能に関して高い 評価を得ている。今後も更なる低燃費性能の改善をはじめとするタイヤの総合性能向上の要求に応えるタイムリーな新製品開発とともに供給量の拡大が強く期待 されている。
〈新設計画〉
▽立地=シンガポールジュロン島内
▽生産能力=第1期・年産3万4000㌧、第2期・年産3万4000㌧
2011年01月06日