豊田合成は8月26日、従来比約40%の軽量化を達成する「樹脂ウォータパイプ」を開発したと発表した。
エンジン冷却水などを通す配管であるウォータパイプは、従来はステンレスや鉄などの金属製が主流で、製品の重量が比較的重いことや、複雑に曲がった形状への加工が困難なことなどが課題だ。
同社は車両の軽量化やエンジン廻りの狭小化などのニーズに対応するため、成形時に高圧の水などを噴射することで樹脂パイプの中空部分を成形する工法で3次元に曲がったパイプ形状を成形する「ウォータアシストインジェクション工法」を新たに導入し、冷却水(LLC)に対する耐久性などを考慮した最適な材料を選定するなど、同社の樹脂技術を駆使し、同工法を用いた同製品の量産化を日本で初めて実現した。
開発した製品は、軽量な樹脂製で従来の金属製に比べ約40%の軽量化を実現するとともに、配管の曲げ角度などの形状制約が緩和されることで、金属パイプでは加工が困難であった複雑な形状に成形することが可能になり、エンジンルームのより一層のコンパクト化に貢献する。さらに複数のパイプやブラケット部(取り付け部)などを同時に成形でき、部品点数を削減することでコスト低減にも寄与する。
同製品は、7月に発表された「レクサスNX」の過給器(ターボ)付きエンジンに使用される、インタークーラー用冷却水配管で初めて採用され、今後も幅広い車種への適用を目指していく。