電気化学工業のCR(クロロプレンゴム)の足元の需要動向は、国内については大きな変化がなく、消費増税による反動減も予想の範囲内に収まり、上半期は前年同期と比べ、ほぼ横ばいで推移した。
一方、収益については電力料金の高騰や、コスト上昇分を十分に売価に転嫁できていないことから、厳しい状況が続いている。このため、全社的なコストの見直しを継続していくことで、収益の改善に努める方針だ。
同社のCR需要の8割以上を占める海外市場のうち、中国市場はアンチダンピング問題により、大きなダメージがあった。
ただし、エラストマー・機能樹脂部門の田渕浩記エラストマー・ブラック部長によれば「CRの需要自体が減っていると感じており、特に接着剤関係では、溶剤規制もあって、CRからPU系の水系接着剤ほかへ移行している」という。
さらに、中国で労働賃金が上昇しているため、履物産業が東南アジアへシフトしてシフトしていることも、中国のCR市場の不調に輪をかけているようだ。
対照的に中国でも工業用は堅調で、自動車産業のポテンシャルがあることから、