東洋ゴム工業は9月18日、ドイツ・ベルリン市で9月23日から26日にかけて開催される世界最大級の国際鉄道技術見本市「イノトランス2014」に出展すると発表した。
出展はダイバーテック事業化工品ビジネスユニットの事業子会社である東洋ゴム化工品が行う。
イノトランスは、世界の鉄道関連サプライヤーがユーザーに最新製品や技術を紹介する目的で、隔年開催されている国際鉄道技術見本市。環境への負荷が少なく、エネルギー効率の高い輸送手段として、鉄道への関心は世界的に高まっており、前回の同イベント(2012)では、出展者数、入場者数とも過去最高となった。
同社ブースでは、鉄道車両用空気ばね、防振ゴムの実物を展示し、鉄道インフラを支える同社の高い技術力を訴求する。
開催場所はメッセ・ベルリン。同社ブースは、ホール9、スタンドNo・701。展示ブースは欧州市場における販売パートナーであるガデリウス・インダストリーとの共同出展となる。
同社ブースの主な展示内容は、鉄道車両用空気ばねと鉄道車両用防振ゴム。
欧州の鉄道事業者の多くに採用されている2つのタイプ(コニカルストッパー型、ハーフアワーグラスストッパー型)の空気ばねなど、高く評価されている実績ある製品の実物を展示する。
鉄道車両用空気ばねは、圧縮空気を封じ込み、ばね作用を発生させて、台車と車体を連結する構造部品。車体の振動を制御し、車体と台車の動きにあわせてスムースに追従する機能がある。ゴムを用いた空気ばねは、金属ばねと比較すると「ばねが柔らかい」「防音効果に優れている」「空気の減衰力が利用できる」などの利点があり、新幹線、在来線や地下鉄など国内外の車両で採用されている。
さらに、代表的な鉄道車両用防振ゴムとして、円錐軸ばね、緩衝ゴムの実物展示をおこなう。鉄道車両用防振ゴムは、車両台車の軸箱の両側に縦に設置。縦(上下)に柔らかく、左右(前後左右)に堅いため、台車からの振動を防ぐ働きがある。
同社は、中期経営計画(中計・14)において、鉄道車両部品事業のグローバル展開をダイバーテック事業戦略のひとつとして掲げ、6月より、中国の合弁製造拠点を稼働している。今後、海外での積極的な市場開拓を推進していく考えだ。