東日本バンドー 新社長インタビュー 荒木孝社長

2011年09月15日

ゴムタイムス社
 ―社長就任に際して
 荒木社長 当社は㈱バンドー東販、東北バンドー販売㈱、バンドー神奈川販売㈱、東京バンドーコンベヤ㈱の4つの合弁会社であり、文化も事業も違う4つの合弁で、しかも東日本という広いエリアをまとめていくには5年はかかるといわれている。しかし、前社長が企業体質、風土を作り上げ、バンドーグループのなかでも優良企業として育て上げていただいた。私は前社長がしっかりと育てていただいた当社の良いところは残しながら、変えていく必要があるところは変えていきたいと思っている。
 ―具体的には
 荒木社長 当社は販売会社であり、いかに販売を伸ばすかが重要。とくに縮小する国内市場のなかで生き残りをかけた、安定した国内事業に育て上げていきたい。そのためには人材の活性化を推進し、お客様に、より密着しながら代理店とともに販売していく営業活動を目指していきたい。しかし販売するのは社員であり、販売しやすい土壌や環境整備をしっかりしていくことが重要だと考えている。
 また今年のバンドー化学のスローガン「変える、変わる、挑む」にあるように、当社もそのスローガンを意識して販売を展開していく。私は長い間、営業畑で事業部長を経験してきた。その経験から営業という仕事が好きで、1本でも多くベルトを販売したいという想いをもっている。さらに販売会社はエリア戦略で勝負していくことが求められる。エリアごとに責任をもたせ、地域に密着しながら、エリアの代理店と共に市場を開発させていく。私はまだまだ、当社製品は売れると信じており、まだまだ当社の製品を知らないお客様がたくさんいると思えるので、そこをターゲットにしていきたい。その中で、樹脂ベルトや歯付ベルトを中心に拡販していく。また最近の時流にあわせた省エネRED、同製品に付加価値をつけた平ベルト駆動システム「HFDシステム」などを戦略商品として位置付け、拡販を図っていきたい。
 ―前3月期決算は
 荒木社長 当初、前期末は震災の影響が大きいと予想されていたが、売上高、経常利益ともに前年同期比で約120%の増収増益をあげることができた。
 ―要因は
 荒木社長 要因は3つ。1つ目は商流の変更。バンドー化学が直販していたお客様を当社を窓口に移していき、その売上が反映した。2つ目は急傾斜搬送ベルトなどの大口案件を受注できたこと。3つ目は販売費及び一般管理費の削減の効果も寄与した。
 また、今回の震災後のこの上期においても更に増収、増益を見込んでおり、その一番の要因は前社長が全社員に「バンドーグループの力を結集し、スピーディに行動し、そして震災を言い訳にするな」とコメントされた。前社長のその言葉を社員が理解し、全社員一丸となり行動に移したことが本年上期の成績につながっているといっても過言ではない。
 下期も不透明ながら上期に引き続き、増収増益を目指して行きたいと考えている。
 ―復興需要は
 荒木社長 当社はコンベヤベルトを中心にエンドレス加工や補修も行っている。現在、約1億円、年度全体で約2億円近くの復旧関係の予測外受注がきている。
 ―樹脂ベルト(サンラインベルト)の拡販展開は
 荒木社長 バンドーグループが持つ伝動ベルトなどの商流を最大限に活かして、代理店と共にお客様に販売してきたい。また関東は食品機械メーカーが圧倒的に多いのでさらなる拡充を着実に行っていく。そして食品機械メーカーの補修市場では、製パン、米菓の2つに注力していく。
 ―信条は
 荒木社長 事業部長の時から社員に「明るく、元気に、前向きに」と言い続けてきた。今後も社員に浸透するようにしていき、その結果として、バンドー化学のスローガン「変える、変わる、挑む」に繋がっていけばいい。また営業マンだけが営業ではなく、業務、総務や工場もお客さんに接点がある限り全員営業だと考えて仕事をしてほしい。
 荒木孝氏の略歴
 1952(昭和27年)12月6日生まれ。
75年甲南大学理学部応用科学科卒、同年バンドー化学㈱入社、96年化成品事業部販売部長、03年化成品事業部事業部長、07年運搬・建設資材事業部事業部長、08年産業資材事業部部長、10年常務執行役員、11年4月顧問、東日本バンドー㈱顧問、同6月東日本バンドー㈱社長に就任。趣味はゴルフ。

 

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