自動車用ゴム部品を中心とする工業用ゴム製品の出荷が堅調推移している。
経済産業省がまとめた1~6月のゴム製品出荷統計によると、工業用ゴム製品出荷は防振ゴム、防げん材、パッキン類、スポンジ製品の需要が拡大、別表の通り出荷金額は同6・9%増と好調に推移した。
特に、自動車や建築・土木などで使われるスポンジ製品の出荷金額は同15・8%増と大幅に増加。港湾整備に使われる防げん材も同8・9%増となるなど、消費増税前の駆け込み需要や景気回復、復興需要などを反映し、ゴムロールとゴム板以外はいずれも前年同期実績を上回った。
一方、日本ゴム工業会が先にまとめた14年上期の合成ゴム品種別出荷実績(6面参照)でも国内出荷では自動車用ゴム部品を中心とする工業品向けの伸びが大きく、この結果、EPDM、NBRなどの合成ゴムが前期実績を上回っており、工業用ゴム製品の堅調を反映した実績となった。
需要の鈍化が懸念された7月のゴム製品出荷でも主力の自動車タイヤが前年同月比1・5%減と12ヵ月ぶりの減少となったが、工業用ゴム製品出荷は同2・7%増と前年同月実績を上回り、総出荷は工業用ゴム製品出荷が全体を押し上げ、前年同月比0・3%増の微増を維持、かろうじて12ヵ月連続で前年実績を上回ることとなった。
しかし、自動車用ゴム部品を中心とする工業用ゴム製品の今後の需要見通しについては、「自動車関連の国内販売は上期までは軽自動車が堅調で、消費増税後の反動は想定ほどではなかったが、7月以降、前年を割るようになっており、先行きは厳しい」(商社)と、需要の陰りを懸念する声が出ている。