ブリヂストンのグループ会社であるブリヂストン アメリカス タイヤ オペレーションズは、9月22日に米国アリゾナ州メサ市で天然ゴムを含む植物「グアユール」の加工研究所「バイオラバープロセスリサーチセンター(以下、BPRC)」の竣工式を実施した。
同施設において、2015年から天然ゴムの試験生産を開始し、16年までに次のステップに向けた判断をするとしている。
タイヤの主要な原材料の中で大きなウエイトを占める天然ゴムは、その約9割を東南アジアで生育する「ゴムの木(パラゴムノキ)」より採取されている。
世界の自動車保有台数の増加に伴い、今後もタイヤ需要は拡大が見込まれまれる中、同社グループは天然ゴム産出地域の一極集中を緩和するため、新たな天然ゴム供給源の研究開発を行っており、「グアユール」に関する研究開発活動はその重要な取り組みとなっている。
「グアユール」由来の天然ゴムは従来の天然ゴムと同様に、植物がうみだすバイオマテリアルだが、「グアユール」は熱帯地域を原産とするパラゴムノキとは異なり乾燥地域で栽培することができる。これにより、天然ゴム供給源の多様化が期待されている。
「BPRC」では、今後30名を超える研究者と技能員が従事し、「グアユール」から天然ゴムを採取するための加工技術の研究開発を行う。
また同社グループは、アリゾナ州エロイ市にて114ヘクタール(東京ドーム約25個分)の農地を確保し、13年9月に「グアユール」の品種改良や栽培技術を目的とした研究農場を完成させ、運用を開始している。
今後、同社グループのアメリカ、日本の各技術センターでは、「BPRC」で生産された「グアユール」由来の天然ゴムについて、最適なゴム配合の研究開発を行い、2020年代の実用化に向けた検討を進めていくとしている。