東レ メキシコに樹脂コンパウンド拠点を新設

2014年10月03日

ゴムタイムス社

 東レは10月1日、米国子会社の東レ・レジン(略称TREC)と共同で新会社東レ・レジン・メキシコ(略称TRMX)を設立し、メキシコ合衆国における樹脂コンパウンド事業の開始を決定したと発表した。

 設立は2014年10月予定。所在地はメキシコ合衆国ハリスコ州エルサルト。資本金は700万USD。株主構成は、TREC75%、東レ25%。事業内容は、樹脂コンパウンド品の製造及び樹脂製品の販売。

 今回の新設により、TRMXは日系エンジニアリングプラスチックメーカーとしてメキシコで初となる樹脂コンパウンドの自社生産拠点となる。TRMXは、東レが本年100%子会社化したラージトウ炭素繊維の世界最大の供給メーカーであるゾルテックカンパニーのメキシコ工場内に年産1万トンのナイロン及びPBTの樹脂コンパウンド設備を導入し、2015年2月からの稼動を目指すとしている。これにより、既存のTRECインディアナ工場と合算した米州での生産能力は、年産3万4000トンまで拡大する。

 メキシコは、米国をはじめとした各国への輸出製造拠点として経済成長を続けている。基幹産業である自動車生産も2010年以降好調な米国需要を背景に急成長し、今後も高い成長が期待されているが、近年では同社樹脂製品の主要な顧客である自動車関連メーカーの新規進出の動きも活発となっており、同社は、現地において樹脂コンパウンド事業の製造・販売拠点を設立することで、成長する同地域で増産を続ける自動車用途及び産業用途への供給体制の強化と新規需要の開拓を図っていくとしている。

 TRMXの設立により、同社グループは日本、中国(深セン、蘇州、天津、成都)、タイ、マレーシア、インドネシア、韓国(2015年度稼働予定)、米国、メキシコの8カ国、11拠点に自社コンパウンド拠点を持つこととなり、現地生産によるタイムリーな供給ときめ細かいサービスを提供していく。またヘッドクオーターである日本をはじめ中国、タイ、マレーシア、米国には高度な開発・評価機能を備える樹脂テクニカルセンターを併設しており、これら同社グループ各拠点の一層の連携によってグローバルにソリューションを提案し、顧客満足度の向上と同社グループ樹脂コンパウンド事業の拡大を図っていく。

 同社は、現在推進中の中期経営課題「プロジェクト AP―G 2016」における成長戦略の一つとして、北米をはじめとする成長著しい国や地域で積極的に事業拡大を図る「アジア・アメリカ・新興国事業拡大(AE―Ⅱ)プロジェクト」を推進している。メキシコでの製造・販売拠点設立は同プロジェクトの一環であり、米国・メキシコにおける樹脂コンパウンド事業拡大の中核として位置づけ、ナイロン、PBTをはじめ高機能エンジニアリングプラスチックメーカーとしてグローバル供給力を高め、同地域で地位を確保する。

 同社は今後も大きな経済成長が見込まれる国や地域での事業拡大により、当該国・地域の経済発展に貢献し、自らも持続的な成長拡大を目指していく考えだ。

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