日本ミシュランタイヤは10月9日、輸送効率向上ならびに環境負荷低減に貢献するトラック・バス用シングルタイヤ「ミシュラン X One」が、日本液体運輸が新たに導入するタンクローリーの新車装着タイヤとして採用されたと発表した。
同製品は、トラックの後輪に装着されている2本(ダブルタイヤ)を1本にするというコンセプトで、1車軸当たり約100キログラムの軽量化を達成し、車輌の輸送効率向上ならびに環境負荷低減に貢献するトラック・バス用シングルタイヤで、さらに駆動軸にも使用できるということで注目を集めている。ポスト新長期規制適合車以降最大積載量の確保が難しくなる中、同タンクローリーはX Oneタイヤを装着することで、最大積載量確保および顧客ニーズに柔軟に対応できる車輌となった。
関東を中心に、液体輸送専門物流業および車輌開発、設計を行う日本液体運輸は、車輌軽量化による輸送効率化と燃費改善を期待し、自社が導入する車輌総重量22トン大型タンクローリー(6×2)1台の後輪2軸に「ミシュラン X One XZY 3」を採用した。タイヤサイズは、455/55R22・5(166L)。
同製品は、トレーラー用としてだけでなく強大なトルクのかかる駆動軸用としても使用されることを前提に設計された、同社が誇るプレミアムワイドシングルタイヤシリーズ。ダブルタイヤをシングル化することで、多くの効果を実現する。
同製品の455/55R22・5サイズは、日本市場で最も一般的な大型トラック用ダブルタイヤのサイズ11R22・5と外径がほぼ同じで、且つ日本の法律上最大値とされる車軸あたり10トンの耐荷重能力を持つ。11R22・5のダブルタイヤ仕様と比べ大幅に軽量化でき、積載可能重量を拡大することが可能になる。積載効率の向上は、同重量の輸送に必要なトラック便数の削減につながる。
また、車輌装備のポンプ装置などオプション選択の自由度が増した。サイドウォールがダブルタイヤの4枚からワイドシングルタイヤの2枚に減ることにより、回転中のタイヤの発熱によって増加する転がり抵抗を削減すると同時に、軽量化されたタイヤ・ホイールユニットが発進・加速時の慣性力を低減する。この二つの効果により車輌の燃料消費量の節約、CO2の削減に貢献する。さらに、タイヤを2本から1本に減らすことによって廃棄されるタイヤも減り、環境負荷低減を可能にする。
さらに、左右タイヤ間距離(輪距)を拡大できるため車輌の走行安定性が向上し、車輌の低重心化も可能となり、安全性向上に貢献することができる。
ダブルタイヤ仕様と比較しタイヤ・ホイールユニット総幅が縮小されるため、左右タイヤ間距離が増大しシャシー設計の自由度が拡大する。また、シングル化により部品点数が減り車輌の生産性も高められる。