ランクセスは、高弾性率熱可塑性プラスチック製品群を拡大、新たに高度に強化した新しいポリアミド2製品を開発した。
新製品の「デュレタンBKV 60 XF」は、「デュレタンDP BKV 60 H2・0 EF(以下、「EF」)」の改良版となる。「EF」はすでに、軽量化フロントエンド、スペアタイヤの収納部、大型トランスミッションオイルパンなどの製品の大量生産において定評がある。新製品は、「EF」同様にガラス繊維60%で強化されているが、より高度な機械的特性を備えており、溶融流動性が30%改良されたもの。
同社の高性能プラスチックを使用することで、メーカーは1mm以下の肉厚が実現でき、それによって薄いリブ構造で高い耐荷重性を備えた構造部品を容易につくることが可能となる。
また、この新しいポリアミドを使用することで、ガラス繊維が露出しない滑らかな表面が可能となる。高い溶融流動性のため、最適化された結晶化プロセスとより高い射出速度が可能となり、卓越した表面品質が実現できる。このエンジニアリング材料は、レーザーマーキング加工ができ、より優れた耐熱性を備えている。たとえば、180℃下で3000時間以上の熱空気老化試験の結果においても、試験サンプルの引張破壊応力は200MPa以上を示している。
もう1つの新素材のポリアミド6は、「デュレタンBG 60 X XF」の商品名で販売される。ガラス繊維とミクロガラスビーズの特殊混合物60%で強化されている。靱性と剛性は「EF」と同等のレベル。部品の歪み・反りがほとんどないことから、タブレットPC向けの薄型の高い強靱性を備えたバックシェルや自動車内装などの用途で使用が期待される。