朝日ラバーは10月23日、日本電気が開発したポータブル型DNA解析装置用の「ヒトSTR―解析チップ」の量産を開始し、初品を納品したと発表した。
今後ユーザーの検証結果を踏まえてさらに量産体制を確立していく。
同社は、独自の分子接着技術を応用して、ゴムと樹脂の加工技術を組み合わせることで、ユーザーのニーズに応える機能を持つマイクロ流体デバイスを開発した。
同社製品の特徴は、ゴムの弾力性により安定した送液が可能であること、積層化で流路を形成するため複雑な流路設計が可能であること、耐久性・耐熱性・耐候性に優れた微細な流路形成が可能であること、既存のチップに比べて安価でスピーディな試作と大量生産が可能であること、などであり、今回の「ヒトSTR―解析チップ」を皮切りに、DNAなどの様々な解析に応用できるよう製品開発を進めている。
日本電気が開発したポータブル型DNA解析装置は、小型化することにより持ち運びが可能で、DNAを解析する一連のプロセスを一貫して、短時間で行うことができる。
日本電気は「ポータブル型DNA解析装置」を、全世界の犯罪捜査機関や災害時の身元確認など幅広い領域に展開することを想定している。
同社は、2014年4月からスター卜した「第11次三ヵ年中期計画(V―l計画)」で事業領域を自動車、医療、ライフサイ工ンスとしており、DNA解析用チップなどのマイクロ流体デバイスをライフサイエンス事業の中核と位置づけ、2017年3月期には売上高12億5000万円を計画している。