信越化学は10月28日、シリコーンの研究開発の一層強化のため、シリコーン電子材料技術研究所(群馬県安中市)に新たな研究棟の建設決定を発表した。
投資額は約50億円、2016年前半の完成を計画している。新研究棟は松井田工場の敷地内にある既存の研究棟に隣接して建設される。
シリコーンは、金属珪素を主原料とする高機能樹脂で、幅広い分野で使用されている。シリコーン事業は、同社の主力事業の一つであり、2013年10月に事業化60周年を迎えた。同社はこれまでに培ってきた技術力と研究開発力を活かして、5000種類を超えるシリコーン製品を開発してきた。同社のシリコーン事業は国内で最大のシェアを獲得するとともに、海外での事業の拡大に意欲的に取り組んでいる。
今回の新研究棟の建設により、需要の拡大が期待されるヘルスケア、電気・電子、エネルギー、半導体などの有望分野向けの製品の開発力を一層高め、新たな用途の開拓による事業拡大を目指す。また、シリコーン電子材料技術研究所を当社のシリコーン事業の中核を担う研究開発センターとして、アジア、米国、欧州のテクニカルサービス拠点と連携し、顧客の要望に応える製品の開発を進めていく方針。
同社は、今後も営業、研究開発、製造を一層強化しながら三位一体となる取り組みを推し進めシリコーン事業の拡大を目指すとしている。