クラレの2014年12月期第2四半期連結決算は、売上高が2226億1300万円で前年同期比11・7%増、営業利益が269億4500億円で同9・3%増、経常利益が270億4800万円で同8・7%増、四半期純利益は170億3500万円で同8・1%増となった。
ビニルアセテートの売上高は1051億1500万円で、同16・7%増、営業利益は248億1200万円で同1・2%増となった。なお、2014年6月1日にデュポン社より譲り受けたビニルアセテート関連事業の業績については、2014年6月度の1ヵ月分を当該セグメントに算入している。光学用ポバールフィルムは液晶パネルの大型化により販売量が増加。西条事業所の新設設備は4月に稼働開始した。ポバール樹脂は値上げの浸透により堅調に推移。PVBフィルムは引き続き欧州建築史上低迷の影響を受けた。水溶性ポバールフィルムは旺盛な需要を背景に順調に拡大、それに対応するため米国において新工場建設(2016年1月稼働予定)を決定した。6月1日にデュポン社より譲り受けたビニルアセテート関連事業は、製造、販売ともに問題なく統合を完了した。EVOH樹脂「エバール」は、米国、アジアを中心に順調に拡大した。
イソプレンの売上高は270億2900万円で同6・5%増、営業利益は28億1500万円で同36・1%増となった。イソプレン関連では、ファインケミカルが順調に推移。熱化成エラストマー「セプトン」は堅調に推移した。液状ゴムは需要が回復した。耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」は、LED反射板、コネクタ用途、自動車用途いずれも順調。
機能材料の売上高は259億8000万円で同12・3%増、営業利益は3億5600万円で同24・5%減となった。メタクリる樹脂は、市況の低迷により引き続き苦戦。メディカルは歯科材料の販売が順調。人工皮革「クラリーノ」は、既存プロセスの中国移管等の事業構造改善効果が発言した。
繊維では、ビニロンは、ブレーキホース用途、アスベスト代替のFRC(繊維補強セメント)用途ともに好調に推移した。この結果、売上高は587億4100万円で同10・8%増、営業利益は17億6900万円で同2・9%増となった。
トレーディングは、ポリエステルを中心とする繊維関連事業、化学品関連事業ともに順調に推移した。また、海外拠点拡充を進めた。この結果、売上高は587億4100万円で同10・8%増、営業利益は17億6900万円で同2・9%増となった。
その他事業は総じて堅調に推移。この結果、売上高は322億6400万円で同5・7%増、営業利益は13億2200万円で同5・0%減となった。
通期の連結業績予想は、売上高が4150億円、営業利益が440億円、経常利益が430億円、純利益が260億円を見込んでいる。