ピレリ 開発中のサイバータイヤのプロトタイプを披露

2014年11月04日

ゴムタイムス社

 ピレリは10月31日、タイヤに埋め込まれたセンサーが、車の調子や路面状況、タイヤの状態に関する生きた情報を提供するインテリジェントタイヤ「サイバータイヤ」について発表した。

 これらの情報は、ドライバーや電装部品へ伝達され、より高い安全性や効率性の向上に役立てられる。

 「サイバータイヤ」とは、ピレリのR&Dとミラノ大学機械工学科との共同研究で開発が進められている最新テクノロジーで、昨今の乗用車に現在既に採用されているアクティブ・パッシブセーフティ技術にこのテクノロジーを注入することで、かつてないレベルの安全性とパフォーマンスを提供することを可能にするもの。

 今回、「サイバータイヤ」のプロトタイプが、ミラノ工科大学財団とシルビオ・トロンケッティ・プロヴェーラ財団が共同開催したアドヴァンスト・ドライバー・コントロール・ワークショップで披露された。

 「サイバータイヤ」の中枢は、リアルタイムで路面状態を読み取り、タイヤと対話をする1平方センチ大の自律電子センサー。読み取られたデータは、車のオンボード・コンピューターや他の電装システムへ無線接続を介して送信され、グラフィックインタフェースを通じて、ドライバーに伝えられる。同センサーは、ドライ、ウェット、凍結路などの道路の状況を分析し、トラクション力に影響を与える路面コンディションを読み取ることで最大限のグリップ力を割り出す。

 同製品は、現在、世界の主な乗用車メーカーによるOE採用に向けて研究開発中だが、既に、商用車向けとしては、ヨーロッパおよび南米の代表的な運送会社で「サイバーフリート」として採用されている。同システムは、自動的にタイヤの空気圧と温度を計測することで、効率的なタイヤのメンテナンスや空気圧調整時期を提示し、商用車の燃費向上によるコスト削減に貢献している。

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