日本ゼオンは11月4日、富山県氷見市に建設中の液晶テレビ用位相差フィルム第5系列の量産を、2015年2月から開始すると発表した。
位相差フィルムは、液晶テレビの視野角を広げるために必要な部材で、液晶テレビの画像品質向上に欠かせない材料。同社の位相差フィルムは高透明性、低複屈折、低波長分散、低光弾性などの優れた光学特性を有するとともに、低吸湿性、高耐熱性などの優れた寸法安定性を有していることから多くのユーザーに採用されてきた。
今後も液晶テレビ市場は、安定して成長していくことが予想されることから、同社では5系列目の生産ラインを2015年4月の量産開始を目指して建設していたが、テレビサイズの大型化などから、同社フィルムへの市場引き合いは依然と強く、その需要に対応するため、量産開始時期を2カ月前倒しするとの判断に至った。
なお、第5系列稼働後の液晶テレビ用位相差フィルム供給能力は、既存の4系列と合わせて合計9500万㎡/年になる。