宇部興産 下期合成ゴム 増収増益を予想

2014年11月06日

ゴムタイムス社

 化成品・樹脂は黒字転換へ

 宇部興産の2015年3月期中間連結決算は売上高が3077億2600万円、前期比1・0%減、営業利益62億900万円、同31・6%減の減収減益となったが、通期では化成品・樹脂部門の黒字転換により増収増益を見込んでいる。
 上期の売上高は化成品・樹脂、機能品・ファイン、医薬の化学品3部門での減収に対し、セメントを中心とする建設資材はじめ、機械・金属成形、エネルギー環境部門は増収となった。

 化成品・樹脂部門は売上高が1022億円、前期比6・9%減、営業利益はマイナス22億円の赤字。ナイロン原料のカプロラクタムの市況低迷が続いたことに加え、堺工場での生産中止により販売数量が減少したほか、合成ゴム(ポリブタジエンゴム)が若干の減益となった。

 機能品・ファインはリチウムイオン電池材料の電解液、セパレーターともに価格下落の影響を受けた。 建設資材は工事現場での人手不足などによる国内需要の伸び悩みがあったが、輸出がアジア向けを中心に堅調に推移した。

 通期の業績見通しについては、化成品・樹脂が通期では黒字転換が図られることから、全体でも売上高6600億円、同1・5%増、営業利益260億円、同6・5%増の増収増益を見込んでいる。下期は化成品・樹脂で堺工場の改善効果増、ナイロン、合成ゴムの販売数量増による増益を見込んでおり、化成品・樹脂売上高の約2割を占める合成ゴムについては

、「かねてより千葉工場でデボトルによる増産を行ってきているが、上期は千葉工場の設備トラブルがあり、数量を伸ばせられなかった。下期はその影響もなくなり、日系タイヤメーカー向けの需要は堅調で販売数量は伸ばせる。上期は若干の減益であったが、通期ではこれを補い増益にもっていく」(泉原雅人取締役執行役員グループCFO)としている。

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