横浜ゴムは11月5日、グループ全体で推進している安全衛生活動の取り組みとその成果が評価され、中央労働災害防止協会(中災防)の2014年度会長賞を受賞したと発表した。
10月22日、広島県立総合体育館(広島市中区)で開催された第73回全国産業安全衛生大会において表彰式が行われ、同社の後藤祐次取締役専務執行役員が出席した。
今回の受賞は「経営トップの強い意志の下、『人』『もの(設備)』『しくみ』に迫った独自の安全活動を展開し、労働災害の削減に大きな成果をあげるとともに、国内外の工場において労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)の導入を進め、他の企業の模範となる顕著な功績をあげた」ことが評価された。同社はCSR活動の7つの重要課題のひとつである「労働慣行」において、「2017年度までに危険ゼロに向けた安全文化を構築する」目標を掲げている。
この目標の下、「5S」「ヒヤリハット」「KYT(危険予知訓練)」「リスクアセスメント」「OSHMS」をベースにした同社独自の活動を展開。具体的には安全体感訓練道場の設置、安全管理者教育をはじめとした階層別教育の実施、コミュニケーション向上と安全な人作りのための1対1教育、公開作業観察、リスクアセスメントを基にしたリスクの低減・残留リスクマップの作成、過去災害を風化させない過去災カレンダーの作成などを実施している。その結果、過去5年間で国内の休業度数率(災害発生頻度を表す指標)および強度率(災害の重軽度合を表す指標)が大幅に改善された。また、海外におけるOSHMSの導入推進では、2012年に中国の2つのタイヤ生産拠点で認証を取得した結果、同拠点の休業度数率が大きく改善した。
中災防は事業主の自主的な労働災害防止活動の促進を通じて安全衛生の向上を図り、労働災害の絶滅を目的として昭和39年に設立された特別民間法人。産業安全および労働衛生の推進向上に努め顕著な功績が認められる企業などに対し、会長賞を始めとする各賞を毎年贈り表彰している。