タイヤ材料の未来②
それでは、タイヤ材料の革新はどのようにして起こるのでしょうか。
S―SBRの場合は次の通りです。
ある研究リーダーが、加工性改良のために研究を始めたS―SBRにエネルギーロスが小さいという特徴があることに気がつき、目的を低燃費化に方向転換して研究を始めたのがきっかけです。研究リーダーは、オイルショックの影響がタイヤ材料にも波及することをいち早く見抜いていたのです。
インクからカーボンブラック、織物からタイヤコードが発明されたように、これから登場するタイヤ材料も既に我々の身の回りにある可能性が高いと思います。
これから起こる新たなニーズに対応するためには、S―SBRの場合のように、新素材にスポットライトを当てるセンスとチャレンジ精神を持った人材が重要な役割を果たすでしょう。日本が、今後ともタイヤで世界をリードしていくためには、このようなセンスの良い研究者を大事にする風土が必要です。
さて、未来のタイヤ材料について具体的にどのようにイメージしたらよいのでしょうか。今後、クルマに起こる大きな変化とはどのようなものでしょうか。