独ランクセスは11月7日、2014年度第3四半期の業績を発表した。
2014年度第2四半期の連結売上高は、製品売価の若干の低水準を販売量の増加で補うことで、前年同期とほぼ横ばいの20億4000万ユーロを達成。特別項目調整前EBITDAは、前年同期比12・3%増の2億1000万ユーロ(前年同期は1億8700万ユーロ)となった。この増加は、管理費の節減、プラントの稼働率向上、棚卸資産評価減が発生しなかったことなどによるもの。特別項目調整前EBITDAマージンは、前年同期比10・3%(前年同期は9・1%)と増加した。
3部門全てが増益に貢献し、純利益は3500万ユーロ(前年同期は1100万ユーロ)と大幅に増加した。
純金融負債は、主に増資が順調に行われたため、2013年度末時点の17億ユーロから約14億ユーロとなった。
事業分野別の業績では、パフォーマンスポリマーズ部門のほぼ全てのビジネスユニットが製品売価の値下げと販売量の低下に影響を受けた。最終的に、売上高は前年同期比4・3%減の10億5000万ユーロとなった。業績は、製造コストと研究開発費の削減、棚卸資産評価減が発生しなかったことにより向上。特別項目調整前EBITDAは、前年同期比10・7%増の9300万ユーロとなった。
アドバンスト中間体部門の売上高は、主に農薬の堅調な需要継続が牽引し、前年同期比5・2%増の4億2400万ユーロとなった。特別項目調整前EBITDAは、前年同期比4・2%増の7400万ユーロ。
パフォーマンスケミカルズ部門の売上高は、前年同期比2・7%増の5億6100万ユーロとなった。これは皮革用化学品および無機顔料ビジネスにおける販売量の増加という恩恵によるもの。特に、製品売価の上昇と販売量の増加により、特別項目調整前EBITDAは前年同期比5・6%増の7600万ユーロとなった。
地域別業績では、EMEA(ドイツを除く欧州、中東、アフリカ)地域の2014年度第3四半期の売上高は、前年同期比3・7%減の5億6900万ユーロとなった。為替変動、フランスのEpierreに拠点をおく「Thermophos France S・A・R・L」のリン事業部の買収に伴うポートフォリオ効果、また「Perlon―Monofil GmbH」の株の売却による持分調整の影響で、売上高は3・4%減となった。パフォーマンスポリマーズ部門の売上高が前年同期比で一桁台後半の減少率となった一方で、アドバンスト中間体およびパフォーマンスケミカルズ部門は僅かながらも増収。主にイタリア、ベルギー、アイルランド、スイス、ポルトガルで売上減となったが、一方で特にオランダ、アイスランド、トルコ、オーストリアで需要増となった。
EMEA(ドイツを除く欧州、中東、アフリカ)地域は、引き続き同社グループ最大の売上高をあげる地域となり、グループの総売上高の27・9%(前年同期は28・8%)を占める。ドイツの売上高は、前年同期とほぼ同水準の3億6100万ユーロで、大きなポートフォリオ効果は見られなかった。パフォーマンスポリマーズおよびパフォーマンスケミカルズ部門の売上高が前年同期比で減少した一方で、アドバンスト中間体部門の売上高は一桁台半ばの増加率を達成。ドイツの売上高はグループの総売上高の17・7%(前年同期は17・8%)を占める。
北米地域の売上高は、前年同期比1・5%増の3億4700万ユーロを達成。為替変動とポートフォリオ効果の調整後、売上高は2・2%増となった。パフォーマンスケミカルズとアドバンスト中間体部門の売上高が一桁台半ばの増加率となり、パフォーマンスポリマーズ部門の一桁台前半の減少率を上回ったことにより好業績となった。米国は同地域の発展の主な牽引役となっている。同地域の売上高は、グループの総売上高の17・0%(前年同期は16・7%)を占める。
中南米地域の売上高は、前年同期比12・2%減の2億900万ユーロと大幅に減少。若干の為替変動とポートフォリオ効果の調整後の数値は12・0%減となった。これは、パフォーマンスポリマーズ部門の売上高の2桁の減少率が影響しました。一方でアドバンスト中間体部門における売上高は2桁の増加率となった。パフォーマンスケミカルズ部門は前年同期とほぼ同水準ながら、わずかに売上減。中南米地域の業績は、ブラジルとチリの売上高に大きく影響されている。中南米地域の売上高は、グループの総売上高の10・2%(前年同期は11・6%)を占める。
アジア太平洋地域の売上高は、前年同期比7・6%増の5億5400万ユーロを達成。為替差損と若干のポートフォリオ効果の調整後の売上高は8・4%増となった。アドバンスト中間体部門の売上高は2桁の増加率で好業績となった。パフォーマンスポリマーズ部門は1桁台半ばの増加率、パフォーマンスケミカルズ部門は一桁台後半の増加率の売上増を達成した。主にインド、シンガポール、韓国、中国、日本がこの好業績を牽引している。一方で、特に香港、台湾、タイでは売上減となった。同地域の売上高は、グループの総売上高の27・2%(前年同期は25・1%)を占める。
同社は、2014年度通年の業績予測範囲を確認し、前回発表時の予測通り特別項目調整前EBITDAは、7億8000万ユーロから8億2000万ユーロの見通しを立てた。すでに本年度の事業再構築による2000万ユーロのコスト削減が見込まれ第4四半期において予測されるコスト負担増は軽減される。