東洋ゴム工業の14年12月期第3四半期連結決算は、売上高2872億7400万円で前年同期比7・1%増、営業利益は340億1000万円で同37・8%増、経常利益は327億7500万円で同35・2%増、四半期純利益は235億1000万円で同282・4%増となった。
新車用タイヤで高付加価値商品の販売が拡大したことや、国内市販用でミニバン専用タイヤの販売が好調だったこと、海外市場で販売量・売上高ともに前年同期を上回ったことから増収増益となった。
セグメント別では、タイヤ事業の売上高は2268億7300万円で同8・6%増、営業利益は317億4300万円で同44・8%増なった。
新車用タイヤは、国内自動車生産台数が消費税増税前の納車が間に合わなかった受注残の下支えなどで前年同期を上回ったものの、同社品装着以外の車種に生産がシフトしたため、販売量は前年同期を下回った。しかし、高付加価値商品の販売が拡大したため、売上高は前年同期を上回った。
国内市販用タイヤは、ミニバン専用タイヤ「TRANPATH(トランパス)」シリーズの販売が好調に推移したことなどにより、販売量・売上高ともに前年同期を上回った。
海外市販用タイヤに関しては、北米市場では高付加価値商品であるSUV用タイヤの販売が好調に推移したため、販売量・売上高ともに前年同期を上回った。
欧州市場でも冬タイヤの受注が好調に推移したことや、ロシアで新規顧客開拓を強化したことなどにより、販売量・売上高ともに前年同期を上回った。
また、中国市場も販売量・売上高ともに前年同期を上回った。この結果、海外市場全体として、販売量・売上高ともに前年同期を上回った。
ダイバーテック事業の売上高は603億5400万円で同1・7%増、営業利益は14億7300万円で同33・0%減となった。
輸送機器分野のうち、自動車用防振ゴムと自動車用シートクッションは、国内自動車生産台数が好調に推移したものの、同社品装着以外の車種に生産がシフトしたため、売上高は前年同期を下回った。
鉄道車両用空気バネと鉄道車両用防振ゴムは、国内補修市場向けへの販売が好調だったことに加え、海外新車市場向けの受注獲得により、売上高が前年同期を上回った。
断熱・防水資材分野については、断熱材メーカー向け硬質ウレタン原液と農畜舎向け資材の販売が好調だったため、売上高が前年同期を上回った。
防水資材分野については、消費税増税前の駆け込み需要はあったものの、夏以降の天候不順による工期の遅れの影響もあり、売上高は前年同期並みとなった。
産業・建築資材分野では、建築免震ゴムの販売が低迷したが、建設用ホース類と道路資材の販売が好調であったため、売上高は前年同期並みとなった。
通期の業績予想は前回公表から変更なく、売上高は4000億円で同8・0%増、営業利益は455億円で同22・2%増、経常利益は415億円で同8・4%増、当期純利益は280億円で同141・5%増を見込んでいる。