ブリヂストンと花王は11月19日、都内で記者発表会を開催し、革新的な高機能タイヤゴム材料を共同開発したと発表した。
新たに開発したのは、ブリヂストンが持つ「ナノプロ・テック」と花王が持つ「界面制御技術」の融合によって生まれた「サステナブル分散性向上剤」で、ゴムとシリカの親和性を飛躍的に高め、ゴム内にシリカをより多く、より均一に分散させる配合剤。
シリカはタイヤのウェットグリップ性能と燃費性の向上を高度に両立させる充填剤だが、水に近い性質を持つため、油に近い性質のゴムとは親和性が低く、ゴムに加えられるシリカの量には一定の制限があった。
両社は今回、花王が洗剤の分野で培ってきた水と油の界面(境目)を制御する技術を応用し、凝集しやすいシリカをほどいて、その表面をゴムに馴染ませることで多量のシリカを高度に分散させることに成功。その結果、吸着量が従来品の約2倍となる上、100%植物(パーム油)由来の原料からなる「サステナブル分散性向上剤」の開発を実現した。
両社はこの新配合剤の開発を2012年から進めてきた。花王執行役員根来昌一ケミカル事業ユニット長は「ブリヂストンと花王は、環境への取り組みについて目指すべき方向性が近かった」と語り、以前から共同開発を行ってきた両社の関係を明らかにした。
新配合剤は、3月にブリヂストンが発売した「ECOPIA EX20」にすでに導入されており、ウェット性能は従来品に比べて12%向上している。
ブリヂストン草野智弘タイヤ材料開発第1本部は「シリカが
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