研修・親睦で積極交流図る
東部ゴム商組は本年度も活発な事業を推進している。「ゴム薬品と環境規制」をテーマに据えた勉強会で国内および海外の動向を取り上げた他、8月恒例の野球大会では、会員相互の親睦が図られた。また、9月の全国ゴム商組連合会では、好転した東部地区の市況が報告された。
ゴム薬品テーマに勉強会 110名参加し盛況に
東部工業用ゴム製品卸商業組合(西山博務理事長)は6月12日、東京・東上野のスター貸会議室・上野ANNEXホール2Aにおいて、第5回勉強会を開催した。
同組合では組合事業活動の一環として組合員を対象とした各種勉強会を開催している。今回は「有機ゴム薬品の使われ方と環境規制」と題し、大内新興化学工業㈱開発研究所・有我望研究開発第三グループマネージャーを招いて勉強会を開催した。雨の中、会場には110名の聴講者が駆けつけた。
講演前に西山理事長があいさつに立ち、「今回は有機ゴム薬品という難しいテーマで集まりが悪いんじゃないかと心配したが、110名もの参加があった。ゴムにはNR、BR、SBRなどがあって、どの用途にはこの種類が適していてということは皆さんもご存じと思う。しかし原料だけ知っていてもダメで、配合する薬品によってゴムの性質がかなり変わってくる。環境規制なども含めて、今日はそのあたりのことを勉強していただきたい」と述べた。
講演では、有我氏が次の4つの項目に分けて概要と現況を解説した。
①有機ゴム薬品の変遷では、グッドイヤー氏が加硫を発見する以前から硫黄の効能が知られていたなど、ゴム薬品の歴史や配合の変化について説明した。
②加硫促進剤の機能では加硫促進剤の構造と種類、性能について、
③老化防止剤の機能では老化防止剤の分類や老化機構のメカニズムと効果について解説した。
④環境規制については、有我氏は「環境規制の話は、最近になって話す機会が増えた」と近年の変化を語った。
まず1992年の地球サミットに端を発した「有害化学物質の環境上適切な管理」の歴史を紹介した。次に国内での環境基準の変遷と、現在の法令や規制対象となる物質を説明。さらに海外での事例として、2015年1月から新たな法整備が行われる韓国との比較や、欧州議会(EU)が設定した化学物質への規制「REACH」の概要を解説した。
関心が高い内容だけに、聴講者は講義に熱心に耳を傾けていた。
ヤマカミ(ベルト)が優勝
東部ゴム商組(西山博務理事長)主催の第36回野球大会の最終日は8月31日、東実健保体育館グラウンド(千葉県柏市)で準決勝と決勝戦が行われた。
決勝戦は、8対2でヤマカミ(ベルト)チームがヤマカミ(ホース)チームを下し、東部ゴム商組野球大会史上初の同門対決を制した。
今大会は会員、賛助会員から36チームが参加、4日間にわたって熱戦が繰り広げられた。
準決勝のシバタとヤマカミ(ホース)チームの対戦は、ヤマカミ(ホース)チームが1対0で決勝に進んだ。カナフレックスコーポレーションとヤマカミ(ベルト)チームの対戦は、こちらも1対0でヤマカミ(ベルト)チームが投手戦を制し、決勝に勝ち進んだ。
準決勝は、両試合とも1対0と白熱の好ゲームとなった。ヤマカミ総監督の山上茂久社長は「シバタは2連覇しており、カナフレックスも強豪、紙一重だったが運がこちらに味方したと思う」と試合を振り返った。
決勝戦は、ヤマカミ(ベルト)チームの先攻で試合が始った。
1回裏、(ホース)チームが幸先よく先取点をあげた。その後、両チームとも出塁するも、序盤は投手戦となった。
試合が動いたのは4回表。(ベルト)チームがフォアボールからの2盗、3盗でランナーを進めた後、ショート強襲のタイムリーヒットなど、この回一挙に4点を加えて、逆転に成功した。
終盤、(ホース)チームが必死の反撃を見せるも得点には結びつかず、8対2で(ベルト)チームが優勝した。
なお、3位決定戦はシバタとカナフレックスコーポレーションが対戦し、シバタが勝利して3位に、カナフレックスコーポレーションが敢闘賞となった。
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閉会式で、山上副理事長は「組合員が28チーム、賛助会員8チーム、合計36チームで4日間の競技を無事に終了することができた。伝統ある親善の野球大会を来年も引き続き盛大に開催したい」とあいさつした。
第32回全国ゴム商組連合会が開催
東部地区の市況は好転 組合HPリニューアルを報告
第32回全国ゴム商組連合会の会議が9月11日、グランヴィア大阪で開かれた。東部ゴム商組は以下の通り現況を報告した。
隔年ごとに実施している商品展示説明会は1000人の入場者があり、盛況に開催することができた。さまざまな事業・行事への参加人数がより多くなってきているように思う。中でも勉強会への参加が多いが、題材選びが難しくなってきている。例年11月に開催している女性セミナーも4回目を迎える。
組合のホームページをリニューアルし、スマホやタブレットからも見やすく使い勝手が良くなり、好評を博している。
ベルトでは、Ⅴベルトは前年並みの会社が多く、農業分野で消費税値上げ後の落ち込みが激しかった。歯付ベルトは前年並み。射出成型機業界は好調。搬送ベルトは消費税値上げの影響が大きく4月以降落ち込みが大きい会社が多かった。
ゴムホースは建機排ガス規制対策の尿素タンク用ホースなどで一部好調だった。
高圧ホースは全体的に好調な会社が多く、納期も遅れ気味となった。小型建機、クレーン関連、高所作業車などが好調。東北復興需要、北陸新幹線、トンネル補修などが原因。大型シールドマシーンなど大型案件も動き出した模様。
樹脂ホースは一部メーカーの値上げ要請は客先におおむね理解を得ることができた。
ゴム板は、今年に入り4月の消費税増税に伴う需要減があったものの予想より落ち込みの激しさはなかった。ユーティリティ費の高騰による値上げは秋~冬にかけて本格化が想定される。国内需要については、復興需要の本格化など、期待の分野も動き出しつつある。
型物成形は、ゴム産業界の牽引役である自動車の13年の生産台数が世界全体では前年比1・4%増、国内では2・2%減となった。14年以降も海外生産が拡大することで、世界の生産台数は年率3%程度の増加が続く見通し。
一方国内生産は、国内市場の縮小に加えて現地生産への移管に伴う輸出車両の生産減少が続く。エレクトロニクス関連の携帯電話の昨年の需要は低価格品の販売が好調なアジアが牽引し、全体では前年増となった。