ミシュランは2014年第1~3四半期の決算について発表した。
同社の売上高は146億ユーロ、販売量は1%増加した。
第2四半期以降見られる市場の減速は第3四半期も続き、欧州における需要の低迷は特にトラック用タイヤで顕著となった。中国を除き、新興市場では直需需要が縮小し、また、北米における持続的で堅実な成長が起きている。
販売量は同期中、乗用車・ライトトラック用およびトラック用タイヤセグメントにおけるミシュランブランド市場シェアの確実な回復力、鉱山・建設機械用およびインフラ向けビジネスの直需市場における成長が、鉱山用タイヤの継続的な在庫減少の影響を緩和したことなどの要因を反映して1%増加した。
価格ミックスの影響はマイナス2%。原材料コスト減少の時期における価格連動条項および価格見直しを適用したこと、プレミアム戦略の継続的実施によるミックス効果の成功などによる。
為替の影響は9か月間でマイナスとなったが、9月はプラスに転じた。
2014年通期見通しは、景気の不透明性および地政学的難局という世界的環境下においても、乗用車・ライトトラック用およびトラック用タイヤの需要は北米および中国では上昇傾向、欧州では安定的な状況が続くと思われる。中国を除く新興市場に見られる減速は特に直需市場セグメントにおいて顕著だが、今後も続くと思われ、一方で、市販市場のタイヤ需要は乗用車・ライトトラック用セグメントにおいては引き続き堅調であり、トラック用セグメントではやや弱まる見込み。
こうした環境を考慮して、同社は市場に合わせて販売量成長の見通しを通年で1%~2%の範囲に下方修正した。特殊タイヤのトン数は、第4四半期の鉱山用タイヤの前年との比較優位もあって、2013年と同等水準で今年度を終えると思われる。
第4四半期に、同社は変化する市場状況にコスト管理プロセスを適応させ、一方で、より良好な為替環境を享受する見込み。同社の競争力強化計画は9ヵ月間で1億6900万ユーロを蓄え、同社の産業効率を立証している。グループは特別損益算入前の営業利益の増加(為替レートの変動による影響を除外)という目標を確認した。
また、同社は11%を上回る使用総資本利益率(ROCE)、および5億ユーロを上回る構造的なフリーキャッシュフローという目標も確認。資本支出計画は2014年は約20億ユーロを維持し、2015年および2016年は下方修正する予定でいる。