電気化学工業は12月11日、同社と三井物産が、米国に共同出資会社デンカパフォーマンスエラストマー(以下「DPE」)を設立し、DPEが世界的総合化学メーカーであるデュポン社のクロロプレンゴム(以下「CR」)の製造・販売に関する事業を譲り受けるための契約を締結することを決定、12月9日にデュポン社と同契約を締結したと発表した。
なお、同買収は所管当局の正式な承認を条件として、2015年上半期の買収完了を目指す。
同買収はデュポン社より、パフォーマンスポリマーズ部門の一部であるCRの製造・販売に関する事業を取得するもの。事業拠点は、米国ルイジアナ州ラ プレイス ポンチャートレイン工場従業員数は約235名。
買収金額は100億円から140億円を想定しており、買収後、同社のCR事業はおよそ500億円規模となると想定している。
同社は、1962年に新潟県糸魚川市の青海工場にて独自技術(アセチレン法)でCRの製造・販売を開始し、現在では世界約80ヵ国に供給する最大級のCRメーカー。
デュポン社は1931年に世界に先がけてCRを開発。現在はブタジエン法にて生産を行ない、主に北米、南米、欧州向けに供給している。
同買収により、同社はアセチレン法の青海工場に加え、立地面で優位な北米にブタジエン法の第2生産拠点を保有することとなり、高品質で安定的な供給体制が強化され、顧客満足度の更なる向上が期待される。
同買収は、同社の経営計画「DENKA100」新成長戦略のひとつ「生産体制の最適化」の最重要テーマであり、これにより数値目標の早期達成に向け取り組んでいくとしている。
三井物産はグローバルな販売ネットワークを活用し、長年に亘り同社と協力し「デンカクロロプレン」の販売に携わってきたが、同共同買収事業を通じ、事業パートナーとして同社と共にCR事業の一層の拡大・発展を目指す。