【コラム連載シリーズ】やさしいゴムの基本知識1 原料ゴムの歩み 伊藤眞義

2015年01月05日

ゴムタイムス社

やさしいゴムの基礎知識

 原料ゴムの歩み

 新年明けましておめでとうございます。このたび、ゴムの基礎知識を七回にわたり紹介することになりました。今回は、「原料ゴムの歩み」についてです。

 原料ゴムの元祖は、1490年代にコロンブスが船旅の途中で立ち寄ったハイチで見出した天然ゴムです。文明社会に持ち込まれた当初の天然ゴムは、弾力性や防水性を必要とする防水衣料や日用品の製造に利用されていました。

 1839年、Goodyearは天然ゴムに少量の硫黄を加えて加熱すると、弾力性、強度ともに向上することを発見しました。いわゆる加硫の発見です。この発見により、天然ゴムが産業用資材として大量に使用され始めたことで、ゴム工業の発展が始まりました。その後、自動車産業の発展や、第一次世界大戦におけるゴム材料の使用量増加により、天然ゴムの供給が需要に追いつかない状態になりました。このことが、原料ゴムの合成研究を加速し、合成ゴム産業発展の契機となりました。

 ドイツにおいて、史上初の合成ゴムであるポリジメチルブタジエン(メチルゴム)の合成が

ゴム材料のこれから(下)
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原料ゴムの歩み

全文:約1778文字

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