ブリヂストンは12月18日、建築用免震ゴム(以下、免震ゴム)において、国内最大となる超大型サイズの免震ゴムを開発し、1月より販売を開始すると発表した。
これにより、150mクラスの超高層建物(40階超相当)にさらに対応しやすくなる。これまでの同社の免震ゴムの最大サイズは直径1600mmだったが、同社の高い製造技術を活かし、今回の製品は直径最大1800mmを実現した。なお、新製品発売に伴い、超大型サイズの検査に対応できる50MN(メガニュートン)試験機を横浜工場に新たに導入する。
同製品の最大対応柱荷重は3800トン(従来品3000トン)。製品ラインアップは天然ゴム系積層ゴムG4シリーズ、高減衰ゴム系積層ゴムX6Rシリーズ、鉛プラグ挿入型積層ゴムの3種。
従来の製品では、対応できる柱荷重が3000トンであったため、主に150mクラスの超高層建物に対しては、建物を設計するにあたり柱の数や配置に制約があった。今回、製品を更に大型化することに成功し、3800トンの柱荷重に対応できるようになり、これまで以上に設計の自由度が向上した。
免震ゴムの製造工程には、ゴムの層と鋼板の層を重ね、熱と圧力を加える加硫という工程がある。今回、製品の大型化に伴い、従来の工法では熱を均一に伝えることが困難であったため、新たに熱の流動解析シミュレーションを採用することで、これまでにない精度の高い熱入れを実現し、今回の新製品開発に結び付けた。
免震ゴムは長期使用を前提としている製品であるため、出荷前の検査が非常に重要。同社では、出荷前の全ての免震ゴムに対して試験機を用いた検査を行っており、品質管理を徹底している。今回の超大型新製品を検査するため、現有の試験機の能力を大幅に超える、5000トンの荷重をかけることができる50MN試験機を新たに導入する。これにより、現有の試験機では1mの水平変形までだったが、より大きな揺れを想定した1・5mの水平変形を加えることができ、更なる品質向上に貢献する。なお、試験機は横浜工場に設置予定。
同社は今後も、建物や家財・人命を守る免震ゴムの積極的な普及活動を進め、皆様の安心・安全を足元から支えていくとしている。