横浜ゴムは12月25日、空気式防舷材の国際規格ISO17357―1:2014の全サイズでの認証を取得し、同規格に基づく生産を順次開始していると発表した。
ISO17357―1:2014は高圧空気式防舷材の材料や寸法、性能などを規定したもので、ISO17357:2002をベースに1月に新規発行された。空気式防舷材は内部に空気を内包したゴム製の緩衝材で、船と船、船と岸壁の間に浮かせて使用する。洋上で原油やLPGなどを移送する2船体間荷役時に必須の製品となっており、世界的な資源開発の活発化に伴い需要が伸びている。
ISO17357は2002年、同社の空気式防舷材の仕様、性能を基準として制定された。原油の2船体間荷役は原油流出など重大な事故につながる恐れがあるため、空気式防舷材には厳しい安全性が求められる。横浜ゴムの空気式防舷材は耐久性や強度など品質面で高い評価を得ていたことから、国際標準に採用されてきた。品質および性能の低下防止と荷役の安全性向上を目的として2014年1月に発行された新規格は(1)防舷材の性能に大きく影響する補強材(タイヤコード)の指定、(2)開口部である金具のサイズの規定、(3)プロトタイプ認証の10年更新の義務化を定めている。
同社は、世界的なタイヤメーカーであると同時に空気式防舷材やマリンホースの分野では世界トップクラスのメーカーでもある。1958年に世界で初めて生産販売を開始した空気式防舷材は世界市場でおよそ6割のシェアを占め、洋上2船体荷役において主要な役割を果たしている。現在、空気式防舷材の生産は国内で行っているが、インドネシア・バタム島に海洋商品の新工場を建設中で2015年下期の稼働を予定している。