20年に1000億円規模に
㈱三菱ケミカルホールディングスグループの三菱レイヨン㈱と三菱樹脂㈱は1月7日、炭素繊維・複合材料事業の強化を目的とし、三菱樹脂のピッチ系炭素繊維事業と三菱レイヨンのPAN系炭素繊維事業を統合することに合意したと発表した。三菱レイヨンが、三菱樹脂のピッチ系炭素繊維事業を会社分割の方法で継承し、2015年4月1日付でPAN系炭素繊維事業と統合した新組織を発足させる予定。
同グループは、三菱レイヨンがPAN(ポリアクリロニトリル)を原料とするPAN系炭素繊維「PYROFIL」、プレカーサー,中間材(プリプレグ、織物)を、三菱樹脂がピッチ(コールタール)を原料とするピッチ系炭素繊維「DIALEAD」、炭素繊維コンポジットを有し、異なる特長を持つ2つの炭素繊維を有する世界で唯一の炭素繊維メーカーとなる。
PAN系は強度に優れることから主に航空機分野、自動車分野、ゴルフクラブ、自転車などのスポーツ・レジャー分野、圧力容器分野、風力発電分野、ピッチ系は弾性率に優れ、熱、力がかかっても変形しない特性により宇宙分野、鉄道・移動体分野、建築・土木分野、カーボンロール、海洋分野などに採用されている。
炭素繊維の世界での生産能力規模は