宇部興産 大阪に研究開発センターを新設 機能品研究を充実

2015年01月22日

ゴムタイムス社

 宇部興産は1月21日、成長戦略事業である機能品の研究開発機能をさらに充実させるため、2016年7月に「大阪研究開発センター(仮称)」の堺工場(大阪府堺市)内への新設を決定したと発表した。

 同社は創立120周年(2017年)を目前に控え、将来の事業拡大のため機能品分野の研究開発拠点新設を計画。自社工場が立地する山口地区、千葉地区に加えて、電池材料をはじめとする機能品の製造拠点があり、顧客に近い大阪地区を軸に検討を進めてきた。大阪地区では、堺工場内で25年間続いた開発部を1992年に、枚方市で34年間続いた研究所を1995年に、それぞれ閉鎖した経緯がある。このたび同地区では約20年ぶりの研究開発拠点となる同施設を開設し、新しい手法で、新しい成果を出すことを目標にしている。

 同施設は電池材料や電子材料、自動車部品等に関する素材や加工、生産方法について要素技術研究~開発~生産技術までを一貫して、効率的かつスピーディな研究開発を行い、世の中の動きに即応した体制で、将来の新製品を創出する中心拠点としていく。

 まずは電池材料分野を中心に50人規模でスタートするが、将来的には機能品関連の研究開発部門を集約するとともに研究開発棟や試作棟を増設し、また研究者を獲得しやすい大阪地区であることも活かして、250人規模に拡大する計画。

 主な特徴は、基礎研究から量産試作まで一貫して対応できる研究開発。研究、開発、生産技術、製造、各部門の連携を強化し、試作棟を併設、研究開発の効率化とスピードアップが可能。また、オープンラボによる新たな価値を創造する。顧客、サプライヤーや大学、研究機関などとの連携を促進し、イノベーションを創出、大学からインターンシップを受け入れる。さらに、研究開発促進のためのレイアウトとして、実験室は機能別に配置し、テーマや組織の枠を超えた議論、多彩な発想を醸成、執務室を実験室と同フロアに配置、見える化し、安全な実験環境づくりとコミュニケーションを活性化、グループ会社のUBE科学分析センターを併設し、評価・分析設備を充実させる。

 同施設は、大阪府堺市西区築港新町3丁1番地、堺工場内に所在。鉄骨造、地上3階建て。延床面積は約3300㎡。1月着工、2016年7月完成(予定)。施設構成は研究開発棟、試作棟。研究開発棟の主な施設は1階がオープンラボスペース、UBE科学分析センター、2階・3階が実験室、分析室、評価室(恒温恒湿室、低湿度室、クリーンルーム)、他。

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