JATMA 転がり抵抗A以上のタイヤが全体の55%に

2015年01月23日

ゴムタイムス社

 一般社団法人日本自動車タイヤ協会は1月19日、会員メーカー各社(ブリヂストン、住友ゴム工業、横浜ゴム、東洋ゴム工業、日本ミシュランタイヤ)が取り組んでいるタイヤの転がり抵抗低減によるCO2排出量の削減効果について発表した。

 JATMA会員メーカー各社は、タイヤのライフサイクル全体(原材料調達、生産、流通、使用、廃棄・リサイクル)における、省エネ化の推進及び温室効果ガス(LCCO2)の排出量削減に取り組んでいる。

 特に、タイヤのライフサイクル全体におけるCO2排出量の8割以上を占める、タイヤ使用時のCO2排出量を削減するためには、タイヤの転がり抵抗を低減することが重要な課題となる。

 2010年には、世界に先駆けて乗用車用市販用夏用タイヤを対象とした「タイヤラベリング制度」の運用を開始し、一般ユーザーがタイヤを購入する際に、より転がり抵抗の小さい「低燃費タイヤ」が選択可能となる表示を行っている。

 乗用車用タイヤ全体の使用時のCO2排出量を評価するためには、ラベリング制度対象外の新車用及び冬用タイヤについても、転がり抵抗の確認が必要となる。

 同協会では、会員メーカー各社が国内で販売した2006年と2012年の全乗用車用タイヤ(市販用/新車用、夏用/冬用)の転がり抵抗係数と本数を調査した。

 「低燃費タイヤ」の転がり抵抗係数に相当する「A」以上のグレードのタイヤは、2006年では全体の29・7%だったが、2012年には54・7%となり、転がり抵抗が小さいタイヤの販売比率が急速に増えている事を示している。

 また、2012年にJATMAが発行した「タイヤのLCCO2算定ガイドラインVer2・0」に基づいて、転がり抵抗の調査結果からタイヤ使用時のCO2排出量を算出したところ、2006年=245・8kg/本、2012年=227・3kg/本となった(走行寿命の間の総量)。 2006~2012年の転がり抵抗の低減によるタイヤ使用時のCO2排出量削減効果は、タイヤ1本当たり18・5kg(7・5%)に相当する。

 さらに、1年間のタイヤ使用時のCO2排出量を算出するためには、過去に販売したタイヤの残存率と稼働率を考慮して計算する必要があるが、これを正確に把握する事は困難なため、当該1年間に販売したタイヤが廃棄されるまでの間に排出するCO2の総量を代替指標として、2006年と2012年を比較した場合、転がり抵抗の低減による2012年のタイヤ使用時のCO2排出量削減効果は、167・4万tに相当する。

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