旭化成ケミカルズは1月19日、ポリカーボネート樹脂の原料であるジフェニルカーボネート(DPC)の新製法として、ジアルキルカーボネート(DRC)を経由した製造プロセス(以下、「DRC法DPCプロセス」)を開発し、同製法の実証プラントを水島製造所内に建設することを決定したと発表した。
同プラントは旭化成ケミカルズ水島製造所B地区(岡山県倉敷市)に建設。生産能力は1000t/年。稼働予定は2017年1月。
現在、同社では「二酸化炭素を原料とする非ホスゲン法ポリカーボネート樹脂製造プロセス」の技術ライセンス事業を展開している。今回のDRC法DPCプロセスの開発により同社非ホスゲン法ポリカーボネート樹脂ライセンス事業の競争力を強化する。
同プロセスは、二酸化炭素とアルコールおよびフェノールを原料とし、同社が開発した独自の触媒を用いてDRCを経由してDPCを製造する技術。従来の同社非ホスゲン法と異なりエチレンオキシドを原料としないため、エチレンセンターに依存せず製造場所の立地制約が緩和される。また、反応を簡素化することにより従来の同社非ホスゲン法に比べてエネルギー使用量の低減ならびに生産コスト削減にも寄与する。
同技術は、循環炭素化学の新たな技術として世界の注目を集めるものと期待されている。