積水化成品 衝撃吸収材がトヨタ「MIRAI」に採用

2015年02月06日

ゴムタイムス社

 積水化成品工業は2月4日、同社のポリスチレン・ポリオレフィン複合樹脂発泡体「ピオセラン」製の下肢部衝撃吸収材が、トヨタ自動車の燃料電池車「MIRAI」に採用されたと発表した。

 下肢部衝撃吸収材は乗員保護のために運転席や助手席のカーペット下に用いられる安全部品であり、万一の事故の際には衝撃エネルギーを吸収する高い性能が求められている。「ピオセラン」は同社独自のポリマーハイブリッド技術を採用しており、ポリオレフィンの緩衝性とポリスチレンの剛性の両方が備わっている。その特性を活かして要求品質に合致した製品を作ることに成功した。

 同社は、1974年に世界で初めてポリスチレンとポリオレフィンの複合化に成功したパイオニアであり、原料開発から成形まで一貫して行うメーカー。2000年代前半から自動車部材での採用が増加し、トヨタ自動車ではこれまでレクサスなどの上位モデルや、プリウスなどのハイブリット車をはじめクラウンやカムリなど多くの車種の下肢部衝撃吸収材のみならず、バンパーコア材などの衝撃エネルギー吸収部材やツールボックスなどの幅広い部位に採用されている。同社は、顧客の要望に応えるプラスチックス素材開発を継続してきたことが、今回の採用に繋がったものとしている。

 同車への採用は、衝撃エネルギー吸収性能のみにとどまらず、環境負荷を減らすための軽量化も考慮されたもの。同社はこれまで培ってきた豊富な開発・製造実績により、今後とも燃料電池車をはじめとする環境対応車へのさらなる採用拡大を図り、低炭素社会の実現に貢献していくとしている。

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