クラレは2月6日、欧州現地法人エバールヨーロッパ(同社100%出資子会社)によるEVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合体)樹脂「エバール」について、生産能力の増強を決定したと発表した。
増強能力は、年産+11000トン。稼働時期は2016年末を予定している。設備投資額は約80億円。
同製品は優れたガスバリア性を生かし、内容物の劣化を防ぐことから食品包装用途で、また揮発ガソリンの漏洩を防止することから自動車用ガソリンタンク用途で、需要が拡大している。加えて、汚れ防止壁紙や床暖房用パイプ、冷蔵庫用真空断熱板など、用途展開を広げている。
同製品の需要は日米欧をはじめとする先進諸国が中心だったが、新興諸国でも拡大基調にあり、ベルギーにある同社は安定供給体制を維持するために、生産能力の増強が必要と判断した。