不二ラテックスの15年3月期第3四半期連結累計決算は、売上高が50億1600万円、前年同期比3・8%増、営業利益は7100万円、同79・4%減、経常利益は4800万円、同84・5%減となり、減収減益となった。四半期純利益は3400万円、同80・8%減。
セグメント別に見ると、医療機器事業では主力の国内コンドームは、継続的かつ中心的な戦略として位置づけている販売チャネルとしての大型小売店、ドラッグストア、コンビニエンスストア開拓をより重点的に推進した。常態化した価格競争に伴う価格低下圧力が続く中、新製品を投入する等テコ入れを図ったが収益両面ともに厳しい展開が続いた。また、冷却商品についてはアイテム数の絞込みにより減収となった。一方、プローブカバー(感染予防製品)を中心としたメディカル製品については、市場の認知度も上がり、堅調に推移した。
この結果、医療機器事業の売上高は13億6900万円、同6・2%減となった。営業損益は生産合理化を継続的に進め原価低減に努めたが、棚卸資産の評価損及び大型の販促企画関連費用の計上が大きく影響し、3億1100万円の損失(前年同期は1000万円の利益)となった。
精密機器事業では、主力のショックアブソーバ及びロータリーダンパーは、国内市場、輸出とも受注は堅調に推移した。主要な市場として位置付け、開拓深耕を続けている住宅設備関連、自動車関連、家電、OA機器関連の分野で受注の回復傾向が顕著となった。産業用分野では国内外の設備投資が徐々に回復をしているものの、大幅な受注増には及ばず足踏み状態が継続した。海外市場では、大手取引先のある欧州の景気低迷の影響もあり受注は伸び悩んだが前年並みの実績となった。
この結果、精密機器事業の売上高は31億6900万円、同7・6%増となった。営業利益は売上高の増加により、6億2600万円、同1・2%増となった。
SP事業では、主力のゴム風船が主体となる販促用品市場のニーズ多様化と市場の縮小が続いたが、広告販促活動・イベント等に持ち直しの傾向が見られ、テーマパークでの好調な集客等の要因もあり、業績は回復傾向となった。また、風船・バルーンに欠かせないヘリウムガスの供給が徐々に安定化し、市場環境好転の兆しが見えたものの本格的な回復には至らなかった。
この結果、SP事業の売上高は3億7200万円、同12・9%増となった。営業利益は、300万円(前年同期は2500万円の損失)となった。
その他事業は、売上高が1億500万円、同9・5%増、営業利益は1000万円(前年同期は500万円の損失)となった。
同社は2月5日、通期連結業績予想を修正した。通期の売上高66億円は前回発表と変更ないものの、利益面では、コンドーム新製品の販売強化に向けた大型の販促プロモーションを展開したことにより、販売費及び一般管理費が増加するため、営業利益1億7000万円、経常利益1億3000万円、当期純利益1億3000万円と下方修正した。